様々なサステナビリティの取り組みを行うスターバックス。2021年からは繰り返し使えるカップの「借りて・返して・再利用する」循環プログラムを展開。消費者とパートナー(従業員)が楽しみながら行うアクションを大切にする理由をサプライチェーン本部エシカルソーシング・サステナビリティチームの高橋芽衣氏に聞いた。
カップを再利用する循環型プログラム
──環境への取り組みの基本方針を教えてください。
スターバックスではリソースポジティブカンパニーを目指し、「2030年までに二酸化炭素(CO₂)、水使用量、廃棄物を2019年に比べて50%の削減を目指す」というグローバルコミットメントの実現に向けて数々の施策を行っています。リソースポジティブというのは「使うより、多くのモノを還元していく」という当社の姿勢を表している言葉であり、これが私たちのサステナビリティの目標です。
その一環として、2021年11月から、繰り返して使えるカップの「借りて・返して・再利用する」循環型プログラム実証実験を、東京都内・丸の内エリアのスターバックスで開始しました。現在では渋谷エリアにも拡大している本実験は、特に持ち帰り時にリユース用のカップを店舗から借りることにより、「使い捨てカップによる廃棄物を削減し、CO₂排出量を少なくする仕組みの実現」に向けた施策です。
もともと当社ではリユースの施策として、日本に第一号店ができた1996年より、お客さまにマイタンブラーを持ってきていただくと20円(税抜)引きになるという取り組みを行っていました。今回の実験は、選択肢として、従来のタンブラー持ち込みに加え、店舗のカップを「借りる」という点に特徴があります。
お客さまは「借りる」カップを持ち帰り、オフィスや公園で自由にドリンクを楽しむことができます。その後カップを店舗に返していただくのですが、その際に洗う必要はありません。店舗に返していただいたカップは専門業者によって洗浄され、再び店内でお客さまに貸し出すという「カップの循環」を行います。これが「使い捨てを出さないでドリンクを楽しむスタイル」を実現する取り組みです。

繰り返して使えるカップの「借りて・返して・再利用する」循環型プログラムイメージ。
サステナビリティを強調しないのがスタバ流
──スターバックスではタンブラーの持ち込みなど、消費者の生活の中に気軽にサステナブルなスタイルを提案しています。
『Have fun!』をキーワードに、サステナビリティの施策に限らず、「お客さまに楽しんでいただけることとは...