近年「ドン・キホーテ」では、特化型ドンキの出店を進めている。中でもZ世代向け店舗「キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店」は、ターゲットだけではなく、幅広い層から支持を集めている。その理由を店長の沢里優美氏に聞いた。
最新のトレンドをつくるZ世代にフォーカス
──「キラキラドンキ」はどのような店舗なのでしょうか。
当店は、特定のカテゴリーに特化した“特化型ドンキ”のひとつで、「Z世代」をターゲットとした店舗です。従業員の半数がZ世代のため、その従業員たちの意見を取り入れ、SNSで話題のアイテムや最新のトレンドアイテムを取り揃えています。
品揃えは、食品と消耗品が半々で、消耗品は8割くらいが化粧品、残りがシャンプーやヘアカラーなどコスメ以外の消耗品になります。
ただ常に同じ商品、同じカテゴリーを揃えているわけではありません。商品のカテゴリーが重要なのではなく、その商品が「いま流行っているのか」「お客さまがいま欲しているものなのか」を従業員と相談しながら、入荷するか決めています。
優先度でいうと、商品の機能的な価値というよりは、食べるとき、使うときに動画や写真を撮ったら映えるもの、パッケージや商品の色がかわいいものなどが、順位的には高くなる傾向があります。具体的にいうと、「地球グミ」に代表されるようなグミカテゴリーは、トレンド性も高く、Z世代からも人気なものを現在は置いています。
──なぜ「Z世代」に着目したのでしょうか。
今も昔も変わりませんが、「トレンド」というものはZ世代のような若年層がつくっていくものだと考えています。店舗自体も「トレンド」を扱う店舗=「Z世代」向け店舗になったというイメージです。実際に、Z世代にヒアリングして品揃えした商品たちは、他の世代の方もよく買われます。
また、品揃えだけではなく、内装や外装などの店づくりの部分も、全てZ世代の意見を聞いて反映しています。例えば、内装にこだわる「ドン・キホーテ」というのは他店でもあるのですが、ここまで現場の従業員の意見を優先して反映したというのは当店だけだと思います。
ロゴも通常の店舗と全く違い、「ドンキ」のフォントも違えば、ハッシュタグも入っています。内装や外装は、オープンギリギリの2、3週間前まで、従業員たちの意見を聞きながら、とことんこだわりました。そして、Z世代への親しみを持たせながら、ドンキらしさを残すという絶妙なバランスを実現しています。
結果的に、この店づくりが...