販促コンペは広く門戸を開いていることもあり、社会人だけでなく学生からの応募も多い。開志専門職大学では、授業の8コマを使い、学生たちが販促コンペにチャレンジした。その背景について、開志専門職大学の原岡和生教授に話を聞いた。
アントレプレナーを育成 授業で販促コンペに挑戦
──開志専門職大学について教えてください。
開志専門職大学は2020年に開学したばかりの専門職大学です。大学として新しいだけでなく、「専門職大学」という新しい制度に成り立った学校であり、55年ぶりに高等教育の制度上に現れた1条校(学校教育法第1条に示される学校)です。わかりやすく言えば、専門学校と大学の良い所取りをした教育機関で、大学教育の専門性と、専門学校の実践力性を兼ね備えています。
教育上は、①600時間を超える臨地実務実習 ②半数が実務家教員(企業などでの実務経験者) ③1クラスが40人以下の手厚い教育、などの特長があります。また、修業期間は4年間であり、卒業すれば学士の学位を得ることができます。
その中でも、開志専門職大学は日本の専門職大学の中で、複数の学部をもつ唯一の総合専門職大学です。「事業創造学部」、「情報学部」、「アニメ・マンガ学部」の3つの学部から成っており、私は「事業創造学部」でビジネスコミュニケーションや地域産業研究(ものづくり)などを教えています。
──販促コンペへ取り組んだ経緯について教えてください。
事業創造学部は、起業家や企業内起業家、事業承継者など、アントレプレナーを育てることを目的としています。今回はEdunovation(起業家教育方法のイノベーション)活動の一環として、販促コンペを授業で扱いました。3年生必修の実習科目「会社設立実習Ⅱ」の課題の一つとして、販促コンペの応募に取り組みました。最初は私からオリエンテーションを行ったのですが、その後授業のコマ数でいえば、4コマ×2週の8コマを応募に取り組む実習に充てました。
実習なので、学内に留まることなく、外の世界と切磋琢磨することができればよい、と考えていたところ、販促コンペへの参加に思い当たりました。企業において、広告や宣伝、販促活動は欠くことができない項目ですが、その反面、学生に実習させることは非常に難しいです。インターンで参加した場合も、「社員の指示による実習」は...