販売促進の専門メディア

           

ゼロから始める リテンションのポイント

手法別にみる基本のポイント 「アプリ」

中川綾香氏(ヤプリ)

顧客との継続的な関係性構築のため、自社アプリを導入する企業が増えている。もちろん、カート機能を実装すれば、そのまま購買までつなげることができる。その活用方法について、ヤプリの中川綾香氏が解説する。

顧客と継続的な関係を築きたいという目的で、自社アプリを導入する企業が増えています。企業アプリが出てきた当初はあくまでECサイトの代替という印象でしたが、CRM(既存顧客育成)という考え方が重要となった今ではアプリの役割も変化し、顧客接点としての優位性がより顕著になってきていると感じます。

アプリには、スムーズなEC購入体験を提供したり、ポイントカードを電子化したりといった機能的メリットももちろんあります。ただし、企業がアプリを持つ最大のメリットは、顧客のブランド体験の一連の流れ(カスタマージャーニー)の各ポイントで顧客に関わるデータを取得し、タイミングを逃さずアクションができる点です(図1)

図1 カスタマージャーニーの中のアプリ接点で取得できるデータ

インストール直後・初回購入直後が勝負

アプリのインストールは初回購入と同時に行われることが多いですが、それが次の購入につながるかは、インストール直後から勝負が始まっています。まずは、会員登録でいかに顧客の情報を提供してもらうかが重要です。個人情報を自ら進んで提供したい方はいません。自身の情報を提供するとどんな良いことがあるのかを理解してもらうことが大事です。

インセンティブをつけるのもよいでしょう。ただし、むやみに情報を取得しても意味がありません。取得したデータをどう使うのか、アウトプットをイメージしてみるとよいでしょう。属性情報以外にも、来店目的やお気に入りブランドなどの情報は顧客理解に役立ちます。

また、最初からたくさんの情報を取得せずとも、アプリ上でのアンケートを通じて段階的に顧客情報を取得できる点もアプリでの情報取得のメリットです。ユーザーに負担をかけずに顧客の最新の状態を把握できるようにしましょう。

初回購入後にアプリを通じてどのようなアクションを取るべきか、3つのポイントを絞ってご紹介します。

①購買体験の満足度を最大化させる工夫をする
初回購入に納得できたかは、次回購入意欲を高める上では非常に重要です。例えば、買い物の満足度をアプリのアンケートで取得すると、不満に対してすぐにフォロー施策が可能です。また、アンケートに回答する際には右脳で感じたことを左脳で考えさせるため、購入体験の記憶の定着に役立ちます。

②アプリを...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

ゼロから始める リテンションのポイント の記事一覧

実証実験に学ぶ! リテンション施策の効果的活用
手法別にみる基本のポイント 「SNS」
手法別にみる基本のポイント 「アプリ」(この記事です)
手法別にみる基本のポイント 「メール」
手法別にみる基本のポイント 「ダイレクトメール」
ゼロから始めるリテンションのポイント
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する