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ゼロから始める リテンションのポイント

手法別にみる基本のポイント 「メール」

渡邉弘一氏(ユミルリンク)

コロナ禍による消費者行動の変化もあり、メールを利用したリテンションに注力する企業が増加。新規顧客獲得にとどまらないリテンションへの取り組みの中でも、重要な手法のひとつ、メールを活用したメールマーケティングについて、ユミルリンクの渡邉弘一氏が解説する。

近年、Web広告の急増によるCPA高騰、人口減、サードパーティークッキー規制に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動様式の変化も重なり、新規顧客獲得のハードルは年々上がっています。

「1:5の法則」という言葉がありますが、この法則は新規顧客の獲得には、既存顧客の5倍のコストが掛かることを意味しており、新規顧客獲得だけではなく、リテンションへの取り組みが重要性を増しています。事実、当社のメール配信サービスから送られているメールの配信数は2021年に前年比で23%増加しています。コロナ禍による影響も考えられますが、この事実こそ、企業がメールを利用したリテンションに注力している証しであろうと思います。

情報取得率の高さ

このリテンションへの取り組みの中でも、重要な手法のひとつにメールを活用したメールマーケティングがあります。メールは、SNSと異なり、企業が主体となって消費者へアプローチできるプッシュ型のチャネルであること、ECサイトやSNSなどでもメールアドレスがIDとして利用され、誰でも保有しているチャネルであることが最大の特徴です。

また、LINE、SMS、DM、アプリなど、メール以外にさまざまなプッシュ型のチャネルは存在しますが、メールは会員登録時の情報取得率が高いことが特徴で、1通あたりの配信単価が低い点が挙げられます。数あるチャネルの中でもメールはROIが最も高く、“1ドルの投資に対して平均42ドルの利益を得ることができる”という調査データもあるほどです。

情緒的な話ではありますが、「メールが届く」ことは人々の生活の一部であり、「慣れ」ているものです。「ポストに手紙や荷物が入っているが、自宅に押し入ってくることまではしない」といった距離感がある一方、LINEやSMS、アプリのプッシュ通知は通知の表示にインパクトがあり、メッセージに気づきやすい反面、コミュニケーションが過度になると即座にブロックされてしまうという特性もあります。

事実、ECサイトを運営している当社の顧客からは、メールが最も多くの会員にアプローチできるチャネルであり、メールが売上に与えるインパクトが圧倒的であるとも言われております。

リテンションを高める手法やポイント

では、リテンションを高めるためのポイントと手法をご紹介します。

1つ目は、「中長期的な顧客との...

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