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ゼロから始める リテンションのポイント

手法別にみる基本のポイント 「ダイレクトメール」

近藤寛一氏(グーフ)

ダイレクトメールは手元に届き、五感を刺激するフィジカルなメディアだ。近年ではデジタルとの相互補完で活用の幅が広がり、高い成果につながる例が増えている。その活用方法について、グーフの近藤寛一氏が解説する。

ダイレクトメール(以下、DM)は、その名の通り顧客とのダイレクトな関係を紡ぐメディアとして長い歴史を持ちます。テレビをはじめとしたマス広告が一般化する中でも、顧客と一対一の関係を構築できるフィジカルなメディアとして、高コストな分、相手に合わせセグメンテーションをするなど丁寧に運用され高い効果を誇ってきました。

90年代後半からメールを含むデジタルメディアが登場すると、そのコストの低さと、自動化、効果測定の簡易さから、特に販売促進の分野を中心に急速に拡大。それに伴い、DMに手間をかけて丁寧に運用することは、コスト効率から軽んじられました。

しかし今、デジタルの限界が叫ばれリテンションの重要性が強調される中で、デジタルがDMを含む全てのリアルを置き換えるという考えには懐疑的な意見が一般的です。

ダイレクトメールの特長

DMを他のメディアから際立たせる特長としては主に次のような点が挙げられます。

①五感に訴えかける
②高い開封・閲読率
③顧客の元で保存される

まず上げられるのが五感を使った体験です。手に取り目にするという行為だけでも、視覚・触覚を使った体験となり印象・記憶に残りやすくなります。先週どんなDMが届いたかを覚えている方も多いのではないでしょうか。情報を伝えるだけでなく、手に取る、QRコードを読むといった行為を通じたフィジカルな体験の価値は大きく、手に取り眺める没入感やリアルな体験をWebサイトで生み出すことは難しいです。

次が高い閲読率です。日本ダイレクトメール協会による「DMメディア実態調査2021」によれば、その閲読状況は79.5%と極めて高い数値です。さらに、近年の個人情報保護法の改正を受け、オプトインの運用が進んだことで、そもそもメールを送ることができないケースや広告ブロックによりリーチできないケースも増えました。

最後は顧客の元での保存性です。先の調査ではDM閲読後の扱いとして、約4割のユーザーが保管した、約1割のユーザーが家族や友人に渡したと答えています。クーポン付きDMを期限まで保管した経験のある方も多いと思いますが、これは再度ユーザーに見返してもらうことで、コミュニケーション回数の増加につながります。また、家族や友人と物理的に共有し会話する行為もデジタルでは起こりえないユーザー行動で、リアルなものは行動喚起につながりやすいといえます。

デジタルと相互補完

一方、長いリードタイム、大ロットが必要、パーソナライズが...

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