新型コロナウイルスの影響もあり、日本のEC化率は飛躍的に高まった。しかし、ECを開設したものの集客面で頭を抱える企業も多い。ブランドの認知を高め、購入を促すポイントについて、マクアケの武田康平氏が解説する。

Makuakeのサイト画面のイメージ。
新型コロナウイルスの影響もあり、日本のEC化率は飛躍的に高まりました。多くのネットショップが誕生し、手軽に始められるプラットフォームや、自社でECを開設する企業もよく目にするようになりました。しかし、必ずしも全てのECが上手くいっている訳ではなく、特に集客面でお困りの声を聞くことが多いです。
「応援購入」=産業支援にも繋がる
Makuakeは「購入型」のクラウドファンディングの仕組みを活用したECプラットフォームです。一般的にイメージされる寄付や投資型のサービスではありません。事業者は購入者から先行的に預かった費用で商品や体験をつくり、リターンとして提供します。生活者にとっては「新しいもの、珍しいものが欲しい」や「せっかくなら頑張っている人の商品を買いたい」など、その感覚は限りなく「購入」に近いものです。
以前はベンチャー企業などが、開発資金を調達するために利用されることが多かったクラウドファンディングですが、最近では大手企業によるテストマーケティングでの利用など、参入する企業の数も増えてきています。
コロナ禍で、共感できるものにお金を使いたいと考える消費者が増加し、クラウドファンディングをはじめとする「応援消費」にも注目が集まりました。当社では、この消費トレンドにコロナ禍以前より着目しており、新しいものや体験の応援購入サービスとして運営を行っています。応援購入とは、実行者の「こだわり」や「ストーリー」を知った上で、応援の気持ちを込めて購入する行為を指します。
一般消費者へ直接アプローチ
当社代表の中山が定義した「0次流通」という言葉があります。スーパー、家電量販店、コンビニエンスストアなど一般的な小売販売市場である「1次流通」、フリーマーケットに代表される「2次流通」に並ぶ概念になります。「0次流通」は、展示会に代表される一般発売前の市場で、新商品、新サービスのテスト販売を行い、消費者反応のリサーチ、最初の顧客獲得を目的とします。
0次流通の利点としては、①toC(一般消費者)にもアプローチできること...