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1億総『小売り』ECビジネス

ECでニッチな需要に対応 成長を続ける「額縁のタカハシ」

高橋保博氏(額縁のタカハシ)

長野に本店を構える額縁のタカハシは、2006年にECを始めて以降、右肩上がりで売上を伸ばしている。なぜ、額縁自体の流通量が減っている中で、売上が伸びているのか。EC上に様々なコンテンツをつくる、その理由について、同社の専務・高橋保博氏に話を聞いた。

額縁、窓枠のサイズ、色の選択など、実際の完成イメージをシミュレーションする仕組みなどをEC上に用意。

5年で売上は186%増 額縁の専門店

──貴社の事業内容について教えてください。

額縁のタカハシは、その名の通り、額縁の専門店です。額縁と聞くと、一般的には賞状や絵画のイメージが強いかもしれませんが、当社は「何でも額縁に入れる」というのが事業のコンセプトです。他の額縁メーカーと違う点は、創業時は建具屋で、そこから額縁の製造・販売に事業転換したことです。建具屋の技術を活かすことで、お客さまからご要望いただいた、様々なものを額に入れて飾るお手伝いをしています。

我々は、額縁には人の気持ちをポジティブにする力があると考えています。例えば、思い出の品や愛着のあるものを額に飾ると、それを見るたびに温かい気持ちになると思います。ですので、そういったものを額に入れていただき、世の中全体が前向きになることを目指しています。

──ECを始めた経緯は。

当社は長野県で実店舗を持っているのですが、年々額縁の流通量が低下する中、実店舗だけでは、額縁を提供できるお客さまが限られてしまうと考え、販路拡大のため、2006年にECサイトを立ち上げました。

ありがたいことに、ECの売上は毎年右肩上がりに伸びており、この5年間でも売上は186%増になっています。今まで店舗に来店いただくことが難しかった遠方の方をはじめ、多くの方に額縁専門店を認知いただき、様々なニーズに応えられるようになりました。

そもそも額縁というのは、既製品であっても、様々なサイズがあるため、すべて店舗で在庫を持つことはできません。ですので、お客さまのご要望に合わせたサイズをその場で提供するというのは、ECだからこそ可能になったことです。

また、かなりニッチなもので「誰がこれを買うのか」と思えるようなものも、ECがあることで提供できています。例えば、そのひとつに「蛇の抜け殻」があります。蛇の抜け殻は縁起物なので、額に入れて...

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