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売上を伸ばすための基礎知識 販促の基本

お客さまに「好かれる」POP 「ラブレター」から検証する

八住敦之、関戸康嗣(全P連)

POPは売る側と買う側、つまり人と人とのコミュニケーションツール。商品情報を伝えるだけではなく、「あ、これ欲しいかも。」と本来買う予定のなかった消費者のココロを動かし行動を起こさせる。そんなPOPの作成プロセスについて全P連の八住氏と関戸氏が解説する。

POPにチャレンジしても、商品名、商品スペック、価格を記載して、そこにシズル感のあるデザインを付け加えたありきたりのものしか作成できない、お客さまの反応がイマイチ感じられないという現実に直面している方も少なくないと思います。そしていざ販促につながるものに改善しようと考えても、どこがどう問題なのかが見えず、デザインを変えてみたりするがそれでも効果が出ず、日々悩まれている方もいらっしゃるのではないのでしょうか?

リード文にある通りPOPというツールを使って、「欲しい」と思わせることが非常に重要です。そのためには、伝える相手のことを考えて、どんなことなら興味を持ってくれるか、そして、タイミングも図りつつどう伝えたら「この人(店)から買いたい」と思ってもらえるかを考えることです。この一連のコミュニケーションとしてのPOP作成プロセスをここでは「ラブレター」に準えて紹介してみようと思います。

「ラブレター検証法」で好かれるPOPを確認

POPを通じてお客さまとコミュニケーションを取るということはすなわち接客です。大切なお客さまへ、想いのある商品を提案するために、心を込めた接客を行うことで共感を得ることができます。この共感とはお客さまからの信頼でもあり、言い換えるならば「好かれる」ことです。POPで「好かれる」ことが購入につながる1つのポイントになるわけです。

さて、「好かれる」という言葉、POP以外の場面であれば、皆さん、どんな場面を想像されますか?ということでお待たせしました。この「好かれる」を「ラブレター」を通して解説して参ります。男女の間ではなく、誰か想いを伝えたい相手に対して、どんなラブレターを書けば「好かれる」のか(それとも「嫌われる」のか)。これをPOP作成のプロセスとしてだけではなく、そのPOPが機能しているか?を確認できることから「ラブレター検証法」として紹介していきます。

ラブレター検証法の4ステップとは

まずはラブレター検証法(図表)を下記に簡単にまとめてみました。

図表 ラブレター検証法 相手(お客さま)に届くラブレターとは?

相手を射止めるために、「どんな内容」を伝えるか。

①相手に「想い」を伝える
自分の気持ちを「好かれる」ように伝えることが重要。

②相手にとっての「価値」を伝える
「好かれる」ように自分と一緒にいたいと思ってもらうことも大切。

そして、それを「どのように」伝えるか。

③「自分の言葉」で書く。
下手でも良いから、形式的なものでない方が「好かれる」。

④相手を思いやり「伝わりやすく」書く。
相手の気持ちになって、見やすくわかりやすく伝えるということも大事。

ではさらに、このイメージを膨らませて各項目、事例を交えて掘り下げてみたいと思います。

「好かれる」POP事例

最初の2つのポイントは相手に「何を伝えるか?」という目線で検証していきます。

①相手に「想い」を伝える。

相手から「想い」を伝えられたとき、独りよがりで、自分の自慢ばかりする人を、どう思いますか?「俺って最高なんだよね。おもしろいし、頭いいし、お金持っているしね。誰が見たって絶賛する俺と付き合わないと絶対損して後悔する」。いかがでしょうか。「最高、この人!」って思われるでしょうか。一方通行で自慢話を押し付けられても相手は引いてしまいます。本当に最高の人だったとしても、残念ながらその良さは相手に伝わりません。

これは商品も一緒です。「この商品、誰が見たってすごいです!安いです!買ってください!」では、今の時代では通用しません。「すごい、すごい!」と売る側が騒いでも、興味の薄いお客さまには「別に欲しくない」で一蹴されてしまいます。また、店側が売りたい感情を前面に出すことで、お客さまは「こういう人から買いたくない」「ここでは買いたくない」という反応を起こすでしょう。

顧客側の立場に立ってくれておらず、自分をお金を稼ぐための対象としてしか見ていないのではないかという不信感を抱くのです。いまは、所有・消費ではなく、人とのつながりや共感・信頼に幸福感を得ようとする時代です。お客さまへのアプローチの仕方も変えていく必要があると言えます。

一方、右側のPOPはいかがでしょうか。その商品を売る側が大切にして自信を持って売り続けていること、を伝えたい動機としています。「買って!」と押し売りすることよりも、この動機に共感していただくことを目指しています。その想いに「そんな商品なら試してみたいかも」とその共感の結果として...

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