漫画『HUNTER×HUNTER』の『軍儀』が商品化─。予約開始当日に品切れ(2次生産待ち)となり、発売前から界隈でルールや戦略の議論が行われています。そんなファンを動かす『軍儀』完全再現プロジェクトについて語ります。
『HUNTER×HUNTER 軍儀(ぐんぎ)』
人気漫画『HUNTER×HUNTER』に登場した架空の盤上競技(ボードゲーム)。2月14日、ユニバーサル ミュージックより商品化が発表された。
軍儀が商品化するらしい─。私と同じく『HUNTER×HUNTER』の大ファンである兄からのLINEでそのニュースを知りました。慌てて予約しようとしたのですが、時すでに遅し。発表当日に受注生産分は売り切れ、2次生産待ちの状態になっていました。さらに翌日には、一部公開されたルールや戦略に対する議論がネット上で行われ、より良いルールにするための案を提示するファンもいるほどの盛り上がりぶりを見せました。今回は、ファンを動かす「『軍儀』完全再現プロジェクト」について書きたいと思います。
架空のボードゲームを現実に
『軍儀』は、人気漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する東ゴルトー共和国発祥の盤上競技。もちろん作者が考案した架空のものですが、将棋に立体的な視点を混ぜたようなルールと戦略性の高さは読者をより漫画に引き込みました。その対局のなかで、あるキャラクターの心情が変化していく様は作中の名シーンの1つとして語られています。
そんな中で、発表された同プロジェクト。ファン内ですぐさま話題となり、Twitterでは作品名がトレンド入り、詳細を取り上げたファミ通.comの記事は同週(2/11〜2/17)で最も読まれたそうです。販売元であるユニバーサル ミュージックの詳細ページを見てみると、「作品内の描写をもとに『軍儀』の駒や盤、ルールを再現し、商品化した」とありますが、そのプロダクト設計もプロモーションもこだわりのあるものでした。今回は、同プロジェクトの3つのポイントを解説してみたいと思います(下記参照)。
ファンを巻き込んだ“こだわり”
ファン向けの商品において、そのファンが応援者になってくれているのは成功している証です。それを実現させたのは、ポイント①②(下記参照)の「こだわり」であり、そこに納得したからこそ応援してくれています。「完全再現プロジェクト」においては、徹底的なこだわりが重要であり、ファンの期待に応えると自発的に動いてくれ、それがまたプロダクトのクオリティを...