『サザエさん』から『鬼滅の刃』まで 若いスタッフ中心に引き継いだ閉業店 ひとりサウナや本屋気分も楽しめる
東急目黒線西小山駅から歩いて約1分の距離にあるのが「東京浴場」。1951年から営業していたが一時閉店した後に、2020年7月に銭湯再生を手がけるニコニコ温泉が引き継いだ。現在、若いスタッフを中心に運営している。「あらゆる世代のお客さまに来ていただきたいです」と同社の田川あす美さんは語る。
まず圧巻なのが番台後ろのロビースペースにある天井まで届く巨大本棚。『サザエさん』から『テルマエ・ロマエ』『鬼滅の刃』まで7000冊を超える漫画本がずらりと並ぶ。取材時にも幼児を連れたお母さんが階段上の個室スペースに上がって『ドラえもん』を読み聞かせていた。
番台の前には昭和を思い起こさせるベンチや各紙を閲覧できる新聞ラックもある。「早朝は出勤前のサラリーマン、午後はおじいちゃんおばあちゃんなどご年配の方、夕方からは幼児を連れた親子など、時間によってお客さまがわかれます」と田川さん。番台で販売するクラフトビールやおつまみ缶詰を味わいつつ入浴後に漫画を読みふけるのも乙なもの。
湯船は3つ。「ぬるいお湯」の湯舟と「熱いお湯」の湯舟2つが並び、温度の違いを味わえる。また古いブランデー樽を用いて、地下の井戸水を引いた「井水掛け流し樽水風呂」もある。幼児に向けては、浮かぶアヒルのおもちゃも多数置いてある。
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