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その常識を疑おう

ブランディングと販促活動は両立しない?

高橋孝之(ホジョセン)

常識と考えられていることについて、実はそうではないと提言していく本連載。今回のテーマは「ブランディングとプロモーション」。ブランディングと販促は相互補完関係であることを、著者が解説する。

    常識8 ブランディングと販促活動は両立しない?

    ▷施策の実施目的を混同しない

    ▷両者は連動している相互補完的活動

    ▷事業拡大には、両立させる必要がある

当たり前に受け入れられている常識を、一歩下がって疑うことで本質を炙り出す連載「その常識を疑おう」、第8回目のテーマは「ブランディングとプロモーション」です。狭い観測範囲ですが、ブランド育成を中心とするチームと、販促活動を中心とするチームって仲が悪いことが多い気がしますね。ブランド側は販促側に対して「ブランドを壊すような施策をやめろ」と要求し、販促側はブランド側に対して「そんなことをやっても売れない」と批判する。こういった言説を両サイドから見聞きしてきました。

施策目的を混同しない

このような不毛な対立が起こる背景には、「広告」といった手段を共有していながら、ブランディングとプロモーションの目的が異なっていることが挙げられます。

乱暴にそれぞれの目的を定義すると、ブランディングの目的は、消費者に対して何らかの知覚・認識を自ブランドに対して持ってもらうことであり、(狭義の)プロモーションの目的は消費者に購買意欲を持ってもらい購買という行動を促すことです。目的が異なれば当然取られるべき施策も異なるわけなのですが、なぜだか自分たちの目的の目線でもう一方の施策を評価してしまうことで、対立構造が生まれてしまうわけです。

ブランド側と販促側の対立を解消すべく妥協を重ねた結果として、ブランディングなのに販促っぽいコミュニケーションになったり、販促活動なのに完全にブランドよりの広告になったり、とちぐはぐな結末になってしまうこともありますね。

たかが1回の販促活動によって壊れるようなブランディングをしているわけでもなく、また手掛ける販促活動のコンバージョン率の高さに自信があるのでしたら、それぞれの目的に応じた施策を続けていくほうが良いでしょう。ブランディングと販促活動はしばしば対立構造で描かれますが、実際には綿密に連動している活動なのですから。

成果はブランド力×質×量

販促活動の成果は、質×量で決まるとしばしば言われます。ですが、僕は...

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