2010年頃から、先駆けてアニメやキャラクターとのキャンペーンを展開し、今も数多くの企画を打ち出しているローソン。コラボした商品やキャンペーンはファンの心を動かし、SNSで話題を呼ぶことは珍しくない。ここでは、同社の考え方について、ローソン マーケティング戦略本部 部長 白井明子氏に話を聞いた。
コラボは年間30種類以上
──最近のコラボについて教えてください。
今年11月は「なにわ男子 デビューキャンペーン」、劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』公開記念キャンペーンなどを実施しました。12月はVTuberグループ「ホロライブ」など、アニメだけではなく、様々なエンタメコンテンツの展開をしています。また、大ヒット作となった『鬼滅の刃』とのコラボレーションは2019年から引き続き実施しており、大変好評です。企画数でいうと、月に約2、3本は実施しているので、年間で30種類以上は展開している計算になります。
──コラボするコンテンツはどのように見極めているのでしょうか?
重要なのは、そのコンテンツの勢いや、ファンの熱量を見ることです。今は誰でも簡単にSNSのトレンドや話題になっていることを見ることができるので、そのコンテンツがどれほど盛り上がっているのか、愛されているか、などを普段から情報収集しています。もちろん、ビジネスでもあるので、そのコンテンツが販売を下支えする力があるのかの見極めも必要です。例えば、『PUI PUI モルカー』とのコラボは、Twitterでよくトレンド入りしているのを見て、権利元さまへ相談しました。
また、今なぜそのコンテンツとコラボするのか、という理由も重要です。映画の公開記念やデビュー記念など、タイミングをつかむ必要があります。
実は、私のチームでメンバーそれぞれに自分の好きなことや詳しいことについて語ってもらい、新しいコンテンツを学ぶ場をもっています。自分が好きなジャンルだと限界があるため、自分の知らないジャンルに素人目線で触れ、それをチームで共有するようにしています。この場から、実際に生まれた企画もあります。

継続して実施している『鬼滅の刃』コラボ。年代問わず人気の作品となっている。
コラボはコンテンツとそのファンの応援
──コラボ商品、キャンペーンにおいて重視していることは何でしょうか?
権利元さまにローソンを選んでいただいたら「できるだけコンテンツを応援したい」と思っています。そのコンテンツのファンに喜んでいただきたいのはもちろん、全国1万4000店舗あるローソンと企画を実施することで、そのコンテンツを知っていただくきっかけに...