『鬼滅の刃』の大ヒットなど、コロナ禍でキャラクターコンテンツを取り巻く環境は大きく変化した。ではその変化は、企業のプロモーションにどのような影響を与えているのだろうか。ここでは、筆者がプロモーションにおけるキャラクター活用の新たな視点を解説する。
2020年から2021年にかけて幾度となくわれわれを襲ってきた「新型コロナウイルス」。経済活動を含む一連の制限によって各業界に多大なダメージを与えたのは言うまでもありませんが、ことエンタメ業界においては『鬼滅の刃』が令和発の大ヒット作品となるなど、明るい話題・トピックスが提供されていたことも忘れてはなりません。そして、このコロナ禍で社会および生活者を取り巻く環境は劇的に変化し、巷にあふれるキャラクターとの接点・関わり方にも変化が出てきていると思います。
本稿では、そのコロナ禍で生じた「キャラクターを取り巻く環境の変化」をキーワード化し、そこから導出される「キャラクター活用の新たな視点」についてご紹介していきます。
キャラクターを取り巻く環境の変化
キーワード① ご近所ふらっと消費
よく耳にするのは「巣ごもり消費」ですが、私は違った視点で「ご近所ふらっと消費」と命名しました。国内旅行はおろかデパートなどでのショッピングにも制限がかけられた中で存在感を示したのが、コンビニエンスストア(コンビニ)・外食チェーンなどの【ご近所施設】です。
以前からキャラクター活用には積極的なカテゴリーではありますが、コロナ禍では今まで以上に注目される形となったのではないでしょうか。在宅勤務においては週末に限らず近所で買い物・食事をする機会が増えるでしょうし、店頭キャンペーンなどを通じて各キャラクターに接触することになります。
必ずしも「お目当てのキャラクター」でなかったとしても、娯楽が制限されている中では目にしたキャラクターでの「ふらっとキャンペーン参加」「ふらっと関連グッズ購入」(総称して「ふらっと消費」)があるのではないでしょうか。
私は仕事柄、昼休みを利用してお客さんの動向をウォッチしていましたが、「ふらっと消費」している場面に幾度となく遭遇しました。コンビニ各社でもキャラクターとのコラボキャンペーンは大小問わず定期的に実施されているほか、近年では【オリジナル商品化】にも注力しており、こうした「ふらっと消費」の受け皿になっています。
キーワード② 新旧キャラクター揃い踏み
定額制動画配信サービスの競争激化、YouTubeやTVerの定着など、コロナ禍によってキャラクター関連動画の視聴環境に大きな変化があった方は多いのではないでしょうか。キャラクターの中でもアニメ・実写(特撮含む)・2.5次元といったジャンルが主となりますが、その...