店舗において重要な集客経路になっている検索での表示。今回は「ローカルSEO」をテーマに、集客において有効な取り組み方を解説していきます。
コロナ禍において店舗集客で苦労されているケースは多いと思います。このような中、店舗オーナーや代理店の方から「集客チャネルのひとつとしてローカル検索が有効だと聞いたが、何から始めればいいのかわからない」と相談を受ける機会が増えています。ローカル検索の基礎知識からGoogleマイビジネスの活用方法、ローカルSEO施策の考え方について解説します。
ローカル検索とは何か
ローカル検索とは、お店や地域に関連する検索が行われた際、検索結果の上部にナレッジパネル、ローカルパックと呼ばれる情報の枠が表示される検索を指します(図1)。
例えば[店舗名][会社名]で指名検索すると、詳細情報がナレッジパネルに表示されます。また[ラーメン]など業種名や商品名で検索すると、ユーザーの位置情報に基づいて近くのラーメン店がローカルパックに3件表示されます。
ローカル検索には次の3つの特徴があります。
①お店選びに必要な情報がファーストビューに表示される
ローカル検索は、検索結果のファーストビューに表示されることが多く、オーガニック検索よりも上に表示されます。営業時間や経路を調べる検索ならば、Webサイトを訪問する必要はなく、ローカル検索結果だけで問題は解決します。またユーザーからの星やレビューなど、お店選びの基準となる情報も表示されます。
②検索する場所と時間帯によって検索結果が大きく変わる
ローカル検索は、検索するユーザーがいる現在地によって、同じ検索語句でも検索結果が大きく変わります。例えば繁華街で競合店が密集しているようなエリアでは、10m離れただけで検索結果が大きく変わることもあります。営業中の店舗が優先的に表示されるので、時間帯によっても検索結果は変わります。
ローカル検索は、現在地からすぐに行動を起こしたいニーズに応える検索結果をつくっており、この点が通常のWeb検索(オーガニック検索)と異なります。オーガニック検索でも地域のお店が優先的に表示されるアルゴリズムはありますが、10m単位で検索結果が変わることはありません。
ローカル検索は、どのお店でもユーザーが検索する場所次第で、表示されるチャンスがあるのです。
③オーナーとユーザー、Googleの三者で情報がつくられる
ローカル検索で表示される店舗情報は、Googleのデータベースにあるビジネスリスティングの情報をもとに生成されます。
ビジネスリスティングは、図2のように、オーナーとユーザー、Googleの三者によってつくられます。ユーザーからの情報が反映される点が、他の地図アプリとの大きな違いです。
そのため、ローカル検索やGoogleマップの情報鮮度は高いといったメリットがありますが、ユーザーから正確な情報だけが入ってくるわけではありません。そこでGoogleは、オーナーに対してGoogleマイビジネスを提供して、ローカル検索やGoogleマップに表示される店舗情報を優先的に管理・編集できるサービスを用意しています。
検索でお店の露出を上げる
ここからは、ローカル検索の仕組みを踏まえて、GoogleマイビジネスとローカルSEOの役割について説明していきます。
①Googleマイビジネスの役割
Googleマイビジネスは、正確な店舗情報を提供するために必須の無料ツールです。基本的なビジネス情報の管理に加えて、最新情報の投稿、クチコミ返信など店舗の魅力を発信する機能も持っています。
利用にあたっては、最初にお店のオーナーであることをGoogleマイビジネス上で確認します。オーナー確認することで、店舗情報が第三者に乗っ取られてしまったり、店舗と関係ない写真やクチコミを放置するリスクを未然に防げます。
②ローカルSEOの役割
ローカルSEOとは、ローカル検索でお店の露出を上げるための施策の総称です。
ローカル検索のランキングは「関連性」「距離」「知名度」の3要素で構成されます。「関連性」は検索語句と店舗の合致度、「距離」はユーザーの現在地や指定した地名からの距離、「知名度」はインターネット上の店舗と関連したコンテンツやポジティブなクチコミなどの評価です。
検索エンジンはインターネット全体の情報を参照したうえで、「関連性」や「知名度」を評価し、ユーザーにとって有益な検索結果を提供しようとしています。
これは、ユーザーがGoogleだけでお店を探すわけではなく、ポータルサイトやSNS、YouTubeなど様々な場所でお店と接触するので、実態に即した評価を検索エンジンは行おうとしているためです。
Googleマイビジネスだけでは手の届かない範囲を補足するのがローカルSEOということになります。
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