ECシフトが加速して1年 改めて整理する「ECと実店舗」の違い
コロナによって顧客とのリアルな接点を持つことが難しくなった2020年。この1年は、ECシフトが急加速し、多くのECが立ち上がった。ここでは、見直すべき点を見る前に改めてECと実店舗の違いを整理する。
EC『総点検』
今年4月には会員数が20万人を突破したファッションEC「STRIPE DEPARTMENT(ストデパ)」。百貨店のような買い物体験を目指す同社は、顧客の購入単価も高く、リピーターも増え続けているという。どのような取り組みを行っているのか、話を聞いた。
山下:当社が運営している「STRIPE DEPARTMENT(ストデパ)」は大人のためのECデパートメントです。高感度な約1000ブランドの商品を揃え、顧客層は35歳〜49歳の女性が約4割と、F2層をメインターゲットとしています。1回あたりの購買単価は約1万6000円と、単価が高いことが特徴です。
これはわれわれが、ストデパというECを、ただ商品を販売するだけのチャネルと考えるのではなく、リアルな百貨店で買い物しているような体験や質を追求しているためです。1度に3着まで試着できる試着サービスや、プロのスタイリストがお客さま個人の要望に合わせてスタイリングを提案するパーソナルスタイリングサービスは、その価値を提供する施策のひとつです。
おかげさまで、今年2月でサービス開始から3周年を迎え、4月には会員数が20万人を突破しました。エンゲージメントを高める取り組みも実施しており、新規のお客さまだけではなく、10回以上、かつ10万円以上購入いただいているリピーターの方も毎月増加しています。サービスも評価いただいていますが、購入から出荷まで平均24時間弱という配送の早さも評価いただいています。
大崎:われわれが注力している取り組みのひとつは、百貨店がもっている提案力をコンテンツで実現することです。ECサイトでは、「STRIPE DEPARTMENT Editorial」というコンテンツページを展開しており、設定したテーマに対して情報を編集し、バイヤーこだわりの商品紹介やスタイリストが提案するおすすめスタイリングを掲載しています。気に入った商品は、そこから商品詳細ページに遷移して、購入いただくことができる売り場にもなっています(ポイント1)。
もちろんコンテンツとして楽しんでいただくだけではなく、これは接客の要素も兼ねています。リアルな百貨店であれば、店舗スタッフがおすすめの商品やスタイリングを提案してくれますが、ECでは難しい部分です。そこでコンテンツを用意して届けることで、ECでの買い物を楽しんでいただくことができます。
また、当社が...