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常連になりたくなる まちの愛され店舗探訪

コロナ禍で丸のままの魚を販売 SNSで魚食文化を発信する浦安の鮮魚店

鮮魚 泉銀

三代にわたり魚屋を営み、浦安魚市場に店舗を構えていた「鮮魚泉銀(いずぎん)」。2019年に市場が閉鎖した後は市内の住宅街で営業を続ける。三代目はロックバンドやSNS、ネット通販でも魚食文化を発信する。

丸のまま、生きのいい魚を示す店主の森田釣竿氏。客から魚の部位や調理法の質問があると、当意即妙に答える。


東京メトロ東西線浦安駅から徒歩15分ほどの住宅街にある「鮮魚泉銀」。店主である森田釣竿氏の家は祖父の時代から浦安魚市場内で魚屋を営んでいた。同市場は2019年に閉鎖。三代目の釣竿氏は市内で新たに妻とともに開いた店に拠点を移した。

正面の台には、この店の売り物である丸のままの魚がずらり。静岡県のアジは「そのまま渡し100g190円」、青森県のスルメイカには「塩辛作りにも!」と脇に書いてある。ケースの中に三匹並ぶアジは、ちょっと目を離した隙に、いつの間にか一匹しか残っていないなど、次々売れていく。魚介類は豊洲市場に加え、鮮魚商を営む中で培った各地の漁業関係者からも仕入れている。

森田氏が丸のままの魚の販売に力を入れるようになったのはコロナ禍以来だという。外食産業などで休業が相次ぐ中、営業を続ける泉銀には、豊洲の仲卸から多くの魚が入ってきた。さばき切れぬほどの魚を眼前に、森田氏は、丸のまま売って、客にさばいてもらうことを思いついたそう。

顧客自身に手間がかかるため、一方で客が離れてしまうリスクもあった。しかし、多くの人がリモート勤務に迫られ生活パターンが変わって自宅で過ごす時間が増えたことや、良心的な価格設定もあり、売れ行きは好調という。「お客さま自身がさばくことで、魚をいただき、命が...

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