嗜好性が多様化する時代 消費者の価格評価のメカニズム
消費者が感じる「値ごろ感」とは何か。その理解を深めるには、「価格評価」の理解が必要だ。販売にどのように活かせるのか、筆者が解説する。
現代消費者の「値ごろ感」を捉える
外食など業務用が減少する中、家庭内の個人消費が増加しているお酒。その中でもプレミアムビールはどのような消費をされているのか、ザ・プレミアム・モルツの担当者に話を聞いた。
ザ・プレミアム・モルツは、昨年度の酒税改正も後押しし、昨年10月から直近まで好調に推移しています。
これまでは正月やお盆などのいわゆる「大ハレ」と言われるタイミングに購入されることが多いブランドでしたが、コロナ禍の影響で、そういった大ハレ催事期のおもてなし需要や手土産需要が減っているのが現状です。一方で、日常生活の中での自分への「ご褒美」需要が増えているという印象をもっています。コロナ禍以降、お客さまの声を聴いていても、「普段の生活に自分なりにメリハリをつけることによって、いい時間に変えたい」という意識が顕著に高まってきています。
実際の飲用シーンはお客さまそれぞれによって異なり、仕事終わりにこだわりのおつまみとともに愉しむということであったり、週末に家族とちょっと手の込んだ料理をつくって愉しんでいたり、趣味の映画を見ながら一緒に⋯⋯と、まさに自分なりの工夫で生活にハリを与えるシーンのお供に選んでいただいているケースが多いと感じています。
共通しているのは、「派手なことはできないけど、自宅を中心とした日常生活のなかで工夫してメリハリつけて目一杯愉しみたい」といった気持ちで、そのニーズに対して、ザ・プレミアム・モルツのもつ価値がうまくフィットしたということだと考えています。
ザ・プレミアム・モルツはプレミアムビールと呼ばれ、贈答シーンでの購買が多かったが、コロナ下で日常での飲用が増加した。
ザ・プレミアム・モルツは素材と製法に徹底的にこだわっており、華やかな香りと深いコク、きめ細やかでクリーミーな泡が特長です。それを最大限体感するにはこだわりの注ぎ方によって実現するお店の樽生ビールを味わっていただくことが一番ですが、ご家庭ではそこまではできません。そこで、ご家庭でもお店の生ビールのような最高の状態のプレモルを手軽に愉しんでもらうために開発したのが、「神泡サーバー」です。
2015年頃から本格的に開発・提供を始めて、毎年進化を続けています。最初の型は卓上で据え置く形でどうしても維持に手間がかかったので、徐々に形を変えて2018年から...