ネガティブな感情をポジティブに変換!なぜカラオケの魅力再発見の課題で「落選メール」に着眼したのか
第16回「販促コンペ」でゴールドを受賞した「落選メール買取プログラム」は、ライブの落選メールを買い取るというアイデアから生まれた企画。“ネガティブな感情をポジティブなものに変換する”ことが評価されました。今回はこの企画の立案者であり、ゴールド受賞者の井河恭祐氏に、本企画が生まれるまでの過程や「販促コンペ」への想いを聞きました
販促会議 企画コンペティション
企画づくりには正解がないため、自分の企画が本当によいものか判断するのも容易ではない。ここでは、企画する上で役に立つ第13回販促コンペ審査員からのアドバイスを一挙掲載する。
博報堂
マーケティングシステム
コンサルティング局
UXディレクター
石毛正義氏
もしも行き詰まったと感じた時には、思い込みを外してみる、仮説を逆転させてみる、自分ならどんなトリガーが刺激されると行動するか考えてみるとアイデアの突破口がみつかるかもしれません。そして自分がこれだ!と思ったアイデアは課題を解決しているか?本当に人に動いてもらえるか?客観的な目で自分に質問してみてクリアできていたら“伝えたいポイントがひと目で理解できる、見たら忘れられない1枚”を準備してみませんか?みんなが笑顔になるような企画の実現に向けて頑張ってください!
電通
第2統合ソリューション局
ソリューション・ディレクター
江波戸康友氏
おもしろいデバイス、おもしろいメディア、おもしろいコンテンツ⋯⋯。やり口のおもしろさから発想してみるのも有効だと思いますが、コロナ禍が長引いている今、これまでよりも一層、人の気持ちを捉えることが重要になってきていると思います。人間って何を求めて、何を考える存在なのか、そして、考える前に何を感じるのか、そう感じてしまうのはなぜなのか。人間という生き物に、いつもよりも思いをめぐらせてみると、また違う企画にたどりつけるかもしれないですよ。
せっかくですから、今回の課題だけでなくて、今後いろんな課題にずっと使える、あなたなりの「人の見方」が見つかるといいなと思います。
モメンタム ジャパン
シニア クリエイティブ ディレクター
加藤 大氏
販促コンペは、みなさんの斬新なアイデアが求められます。と言っても、企画書の最初から最後まで見たことも聞いたこともないアイデアで埋め尽くすなんてことは不可能でしょう。例えば、かつて自分が体験した製品キャンペーンのアイデアを部分的に再利用したり、ネットで見つけた過去事例のフローを再構築したりした上で、自分らしいコアのアイデアをトッピングすることで魅力的な企画はつくれると思います。
ここに2つの企画書があって、企画要素を分解すると、まったく同じ種類のパーツで構成されていたとします。それなのに一方が断然魅力的に見えることがよくあります。パーツの並べ方、フォーカスのあて方次第で企画は生き物のように変貌するのです。是非、コアとなる自分のアイデアを魅力的に演出するために試行錯誤を繰り返してください。そのためにカスタマージャーニーの時間軸で捉え直すのもよいですし、ターゲットインサイトを入れる方法もあるかと思います。
電通
第1統合ソリューション局
コミュニケーション・プランナー
來住貴宏氏
“チームづくりもアイデアのひとつ”。販促コンペは、一人でもグループでも応募できるアワードです。もちろん一人で挑むことも素晴らしいことですが、個人的にはグループで挑むことも醍醐味のひとつだと思います。提案において、企画を考える前にチームを考えることはとても大切です。もはや、チームづくりもアイデアのひとつと言えるかもしれません。
どんなメンバー、どんな進め方、そしてどんな雰囲気でアイデアを練り上げるかでアウトプットは驚くほど変わります。改めて、どんな人とどんな企画をしたいかを考えてみるのはいかがでしょうか?気の知れたメンバーでやるのもよし、この機会に一度組んでみたかった人に声をかけてみるのも良いかもしれません。チームでの濃いディスカッションはきっと良い企画につながり、さらには良い経験につながるはずです。販促コンペがたくさんのチームや絆づくりにつながれば、それはもう素敵なことだと思います。
グレイワールドワイド
クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
小髙龍磨氏
数年担当させていただいて毎年感じることは、同じようなアイデアが多いこと。パッと思いついたアイデアはライバルも思いついているかもと疑って、身近な人に見せたり、少し視点をずらしたり、他の切り口を探ったりして、自分が納得いくまで粘ってみてください。
生活が一変して、消費者の取り巻く環境や意識が変化しているいま、広告やコミュニケーションの手法もそれに対応していかなければいけない。でも逆を言えば新しいことにチャレンジするチャンスなのかもしれません。みなさんのワクワクするような新しいアイデアに出会えるのを楽しみにしています。