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コロナで動く 消費のタイミング

プランニングで重視すべき 消費行動を生み出す3つのタイミング

畑中翔太(博報堂ケトル)

プロモーション企画を考えるうえで、タイミングは重要な要素だ。本稿ではおさえておくべき3つのアプローチについて紹介。クリエイティブディレクターの著者が、押さえるべきタイミングを解説する。

消費行動という観点において、「歳事・記念日」というタイミングは非常に重要な“行動喚起トリガー”になります。食品から衣料、家電、車に至るまで、世の中のあらゆる商品やサービスがこの歳事・記念日というタイミングを捉えて、そのマーケティング戦略を計画しています。

例えば、「クリスマス」や「お正月」は、誰にでも分かる“分かりやすいタイミング”です。しかしこういったビッグモーメントは消費行動も増加しますが、そこに便乗しようとする競合の存在も多く、この中で打ち勝っていくためには大きなマーケティング予算が必要となることでしょう。

では、自社の商品やサービスを“消費の波”に乗せるタイミングをどのようにして見つけていけばいいのか。今回はプロモーション出身のクリエイティブディレクターとして私自身が、日々多くのマーケティングプランニングを行っている中で重要視している、3つのタイミングについてお話したいと思います。

消費を生み出す3つのタイミング

消費行動を生み出すタイミング創出には、①「乗っかる」 ②「新たにつくる」 ③「掘り起こす」という大きく3つのアプローチがあると思っています。

図1 消費行動を生み出す3つのタイミング創出

1つ目は、「乗っかる」というアプローチ。これはその名の通り、すでにいま世の中に顕在化している歳事・記念日といったタイミングに乗っかるマーケティング方法です。スーパーの売り場戦略における「52週カレンダー」にもこの多くが含まれていますが、前述のようなクリスマスやお正月、バレンタイン、ひな祭り、お花見などのビッグモーメントから、例えば、エイプリルフールや土用の丑の日、受験シーズンなど、細かく挙げていけばきりがありません。

この「乗っかる」アプローチは、すでに社会に根付いているタイミングに合わせるものなので、プランニングがしやすく、いつからでもはじめることができます。

例えば、飲料やお菓子商品であれば、お花見時期に合わせて“桜デザインパッケージ”を発売することなどは分かりやすいマーケティング例です。一方で、気軽に取り入れることができる分、どのモーメントにも競合が多く、オリジナル性という点でもハードルはあります。

2つ目は、「新たにつくる」というアプローチ。これは主に、記念日などを“ブランド発信”で創出していくマーケティング方法です。例えば、11月11日の「ポッキー&プリッツの日」はブランド側で記念日を創出、育成した好事例であり、毎年この記念日前後にはスーパーなどでも“ポッキー&プリッツ売り場”が増設されたりし、実際の消費喚起に結びついています。

このタイミングを「新たにつくる」アプローチにおける課題は...

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