2017年に生まれた湖池屋のポテトチップス「KOIKEYA PRIDE POTATO」が2020年2月にリニューアルした。この4年間に様々な紆余曲折を経て再ヒット。マーケティング本部マーケティング部第3課 高戸万里那氏にその軌跡を聞いた。
DATA
- 商品名:湖池屋プライドポテト
- 参考小売価格:各150円(税抜き)
- ブランド累計出荷個数:5300万袋(2020年2月〜2021年1月)
- 主な販路:コンビニエンスストア、スーパーマーケット、自社ECサイト
企業イメージを背負った商品
──2017年にこの商品を発売した背景は。
当社は2016年に新社長が就任し、同時にコーポレートブランドを統合、新CIロゴマークを策定しました。新しく生まれ変わった湖池屋を象徴するブランドとして生まれたのが「KOIKEYA PRIDE POTATO」でした。湖池屋は、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した会社です。創業者の「食で暮らしを豊かにしたい」という思いを具現化し、おいしいポテトチップスを見つめ直し、徹底追求したいと開発したものでした。
──当時、ポテトチップス市場はどのような状況でしたか。
この10年近く、市場は横ばいでコモディティ化が著しい商材でした。高級路線の商品も多く出ていましたが、生活者の志向は特定の商品を指名買いするよりも、安い商品を選ぶ傾向が強くなっていました。市場全体で販売個数はあまり変わらないのに、単価は下がり気味。この市場で、いま一度スナックの価値を見直そうと考えました。
──2017年当時の売れ行きはいかがでしたか。
おかげさまで大ヒットを記録し、1カ月分を1週間足らずで売り切るほどの好評を博しました。一方で、予想以上の売れ行きで生産が追いつかず販売休止、それに加えて前年にあたる2016年に北海道を台風が直撃し、じゃがいもが不作に。発売2カ月後に全国的なじゃがいも不足による「ポテトショック」が発生。その影響もあり、商品をお客さまへスムーズに提供できませんでした。
テレビCM
2021年2月から女優の永野芽郁さんを起用した新CMをスタート。現在放映中の「リニューアル」篇のほか、4月には「家族」篇、「犬」篇も放映予定。永野さんはNHKの朝ドラから若年層向け映画まで出演作が幅広い。10代〜60代まで広く反響が寄せられた。ブランドが一新されたことを瞬時に、かつ、好感度をもって伝え、メジャー感を演出できた。
原点に立ち返り定着を狙う
──2020年2月に大リニューアルしたのはなぜですか。
新発売時は大ヒットしましたが、思い通りに市場に定着したとまではいえなかったため、その後も何度かリニューアルを重ねました。
例えば...
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