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SPORTS TEAMに学ぶ集客術

非日常空間の観戦体験を追求し満員のアリーナを実現

宇都宮ブレックス

宇都宮ブレックスは、プロバスケットボールBリーグに所属する人気チームのひとつ。2019−20シーズンはメインアリーナのほぼ全試合で満員を記録した。2020年に社長に就いた藤本光正氏に集客術を聞いた。

    [DATA]

  • 運営:栃木ブレックス
  • 設立:2007年
  • ホームタウン:栃木県宇都宮市
  • ホームスタジアム:ブレックスアリーナ宇都宮(宇都宮市体育館)

    TEAM HISTORY

    ホームゲーム入場者数が右肩上がりで伸長

    2007年6月、「栃木ブレックス」として活動を開始。2008年にはJBL2(日本バスケットボールリーグ2部)で優勝、JBL1昇格を果たした。2009年から2019年まではネーミングライツ導入によりチーム名を「リンク栃木ブレックス」に。2019年に現在のチーム名へと改称している。2010年にはJBL優勝。2016年にスタートしたBリーグではB1東地区に所属、2016−17シーズンは総合優勝を果たし、リーグの初代王者に輝いた。

    ホームゲーム入場者数は右肩上がりで伸び、2019−20シーズンのメインアリーナでの観客動員率は101%とほぼ全試合が満員。チケット平均単価もリーグ1位を記録した。

    チーム名のブレックス(BREX)は、BREAK THROUGHを元にした造語。現状を打破し、チャレンジする姿勢を表現しながら、ラテン語で王者を意味する「REX」を含み、バスケットボール(B)の王者を目指す意味も込められている。

    チームカラーの青と黄は栃木県の姉妹提携州である米インディアナ州のNBAチーム、インディアナ・ペイサーズのチームカラーを踏襲した。日本初のNBAプレーヤーとしても知られる田臥勇太は、2008年の加入以降チームを牽引しているシンボル的な存在だ。

宇都宮ブレックスの集客に秘策はない。シンプルに魅力的なチームをつくり上げ、そのチームがプレーするアリーナを「非日常」空間にするための努力を続けてきた結果だ。

選手を交え「ブレックスらしさ」を追求

チーム創設から在籍し、試合運営からスポンサー営業、プロモーションなどほぼすべての業務を経験し、2016年に副社長、2020年に社長に就任した藤本光正氏は「まずはバスケットボールが強いチーム、応援したくなるチームをつくること。理念とする『強く愛されるモチベーションあふれるチーム』を目指してきました」と強調する。

強いチームづくりとファンサービスの両立こそがビジネス的な成長には欠かせないと考えている。選手獲得の際には競技面の活躍とあわせてファンサービスに協力することへの合意も重視している。そのため、選手とフロントスタッフがそれぞれの活動を協調して進めることが一種の文化として定着している。

藤本氏は「選手には定期的に経営や集客の状況についても説明しています。フロント業務と選手たちの現場を分けて考えるチームもあると思いますが、私たちは共有することでお互いの協力関係を強めています」と説明する。

こうした姿勢をより行動に近づけるため、選手のマッサージスペースをチームの事務所内に設置。多くのスポーツチームでは分かれている事務所と選手の活動エリアを近づけた。選手はフロントが日々集客やスポンサー営業に奮闘する姿を目にし、フロントスタッフは選手が事務所を訪れた際に広報活動などへの協力を頼みやすくなるなど、一体感を生み出した。

2017年にはチームのキャラクターをより伝えやすくするために「ブレックスメンタリティ」というキーワードを設定した。藤本氏は「ファンにもチームが目指すものに共感してもらったり、一緒に戦ってもらう存在になってほしい。そのようなファンを増やすためには“頑張っている”“格好いい”という抽象的な言葉ではなく、機能的な価値と深層心理まで表現する言葉が必要だと考えました」と振り返る。

「ブレックスメンタリティ」を体現する選手のひとりが田臥勇太だ。2017年のファイナル...

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