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実店舗・EC 衝動買いを生み出す秘訣

「目立つ」のではなく「気を引く」 商品の価値に合ったデザインを

ウジトモコ(戦略デザインコンサルタント、アートディレクター)

衝動買いを生み出すにあたり、ビジュアル、動線などデザインの力が必要となる。視覚マーケティングの提唱者が解説する。

「人間の目が2つあるのは、たくさんのものを同時に見るためではなく、1つのものをよく見るためである」

『これならわかる!人を動かすデザイン22の法則』(KADOKAWA)より引用

デザインと視覚の関係

例えば、ウサギと人間では目のついている位置が違いますが、これにより「視野角(見える角度)」も異なります。顔の両脇に目がついているウサギのような草食動物の視野角はとても広く、360度近くあるともいわれます。これが、視覚と脳の原理原則であり「1点の法則」の本質です。

一方、人間の目は前向きについています。2つの目があることで、距離感や質感など、片目では分かりにくい事象が判断しやすくなります。ですから、目の疾患で眼帯をしたときなど、足元がおぼつかなくなったり、クリアな視界が失われ、ピントが合いにくくなったりします。

つまり人間の2つの目は「1つの大切なものの本質を知るため」についている構造である、といっても過言ではありません。

例えば、商品のパッケージデザインを変えることで売り上げを高めたい場合なども、この「1点の法則」をまずは意識しておくと役に立ちます。

つまり、どういうことかといいますと、なんらかの形でまずは「お客さんの目に留まる」必要があるということです。そして、それは

×目立つように要素を大きくする
×いろんな色を使う
×ケイや飾りをなるべくたくさん使う
×文字に影を入れ、斜体にしたりして凝る

ということとは、違いますので注意しましょう。「気をひく」ことはお客さんの「目を引く」ことから始まるというのは間違いではありませんが、それは目立たせる、にぎやかにするというよりも、むしろ「視線を奪う(フォーカスロック)」ことが重要なのです。

ウサギと人間では視野角が異なる。人の視覚の構造を理解することが重要。

典型的な衝動買いパターン3つ

では、もしもデザインで「視線を奪うこと」ができるとしたら⋯⋯。よくある、衝動買いのパターンを見てみましょう。その多くは、下の3つのパターンのうちのどれかになります。

①「運命の出会い」をデザインする
②良いものが安い!
③無意識のうちの衝動買い

皆さんも、経験がありませんか。では、1つずつ見ていきしょう。

①「運命の出会い」をデザインする

いわゆる「プロダクトアウト」ではなくて、「マーケットイン」のデザインをするという考え方です。ただ、気をつけなければいけないのが、デザインの良し悪しというものを(「デザイン好き」というターゲットを除いて)多くの人はさほど意識していません。

ですから、世界で名だたるデザイナーを招致すれば必ず売れるかというと、そう簡単にいかないのです。

人にはそれぞれ、好き嫌いがあり、価値観も異なります。ですから、買ってもらいたい人の「消費動向」や「大切なものの価値観」をしっかり調査して、未充足ニーズに...

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