発売直後に人気が爆発「The Music」ヒットの裏に隠されたZ世代創業者2人のプロモーション戦略
2023年1月に「The Music」が発売した「ミュージックキーホルダー」がZ世代をはじめとした若年層の間で大きな話題になっている。レコードやカセットテープなどのデザインで、「音楽を持ち歩ける」のが、同商品の特徴だ。
ヒットの仕掛け人に聞く
連載スタート50周年を迎えたまんが『ドラえもん』。既刊コミックスの一斉重版に加え、幻の「0巻」発売、こだわりの超豪華愛蔵版「100年ドラえもん」の受注生産。企画・マーケティングを担当した小学館の今本統人氏にプロジェクトの全容を聞いた。
『ドラえもん』はもともと、「小学一年生」をはじめとした学習雑誌で連載されていた作品です。2020年はその連載スタートから50年の記念イヤーです。
様々な出版企画を検討しましたが、原点に立ち返り、連載スタート時に存在した6種類の第1話などを収録した『ドラえもん』0巻や、コミックス全45巻を特別な装幀に仕立てた7万円の豪華愛蔵版「100年ドラえもん」、そして既刊コミックスの書店フェアと、原作まんがの魅力を存分に伝える企画を次々と行いました。
当初0巻は40代半ば〜60歳の方を広く狙いました。が、発売後、テレビを中心に大きな話題となり、実際には40代をボリュームゾーンに10〜60代まで偏りなく購入いただいています。男女比は55:45くらいとやや男性が多いですが、ほぼ半々ですね。
テレビアニメや映画のファン、キャラクターグッズを購入する若年層は多いものの、原作まんがを読んだことがない方もたくさんいらっしゃいます。『ドラえもん』は国民誰もが知っているロングセラーという強みはありますが、書店の店頭では「定番もの」と扱われることもあり、毎日多くの新刊が届く書店店頭で継続的に置いていただくことが課題の一つでした。
そこで、書店を巻き込み、従来の原作ファンにはその魅力を再発見していただき、アニメ・映画・グッズファンには原作に目を向けていただけるようなキャンペーンを考えました。また、宣伝施策についても、50周年を機に原作の魅力に改めて注目が集まるようなクリエイティブや、手法を検討しました。