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REPORT

SDGs起点の販売店改革 顧客対応強化へデジタル投資

トヨタモビリティ東京

東京地区の販社4社を統合して2019年にスタートしたトヨタモビリティ東京。顧客だけでなく地域社会と従業員から支持される企業を目指す片山守社長に聞いた。

トヨタモビリティ東京 代表取締役社長 片山 守 氏

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学 教授/LIXIL 参事 マーケティング部門付 野口恭平 氏

100年に1度の自動車変革期

野口:本セッションは「自動車ディーラーの理想像〜世界最大規模のディーラーが目指す、地域から愛される販売店のカタチ〜」と題して、トヨタモビリティ東京の片山守社長に、今後の自動車の価値や体験をお客さまにどう届けるのかということについてお聞きします。現在、自動車の消費については、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、EV)」という新たなキーワードも出現していますが、片山社長は自動車業界の環境変化をどう捉え、どう対応されているのでしょうか。

片山:メーカーであるトヨタ自動車の豊田章男社長の言葉をお借りしますと、「自動車業界は今、100年に1度の変革期にある」と言われています。ちょうど今から100年前、移動手段は「馬」でした。ところが、1907年にT型フォードが誕生してからは、たった20年ですべてがクルマに変化したのです。そのまたさらに100年後にあたる現代は、先述のCASEなど、モビリティのあり方に変化が見えつつあります。特に首都である東京は、自動車を取り巻く環境変化がいち早く現れていると感じています。

都内の販売網を一斉改革

片山:そんな中、メーカーは「チャネル軸から地域軸へ」という方針を示し、これまでのトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店という4チャネル体制を地域軸に方向転換。全国に先駆けて、東京の直営4販社を融合し、設立したのが当社、トヨタモビリティ東京です。ひとつの会社となったことで、お客さまにとっては、トヨタ・レクサスを合わせて都内の230近い店舗ネットワークから、最寄りの店舗を選んでいただけるようになりました。

商品軸でも、チャネルごとに分かれていた取り扱い車種を「全車種扱い」に切り替え、「中古車の扱い」も開始。また、「試乗車をレンタカー化」して、廉価で利用してもらうサービスも開始しています。

併せてモータースポーツに特化した店舗「GRガレージ」においては、全国で初となる都内4店舗という複数店舗で展開しています。今後投入されるGR高性能スポーツ車両に対応すべく、気軽に立ち寄れる「GRGネットワーク」となりました。

野口:お客さまが自動車に対して求める価値やニーズが変化していることを受け、企業側もそれに合わせて変化する必要がある。つまり「顧客対応力」の強化がポイントになるということですね。

片山:その通りです。チャネルの融合によって多様な販売の方向性を見出せるようになりましたが、メリットばかりではなく、課題も存在しています。従業員数が7500人と大規模になったことにより、社内コミュニケーションに課題が発生したのです。

そこで、大規模会社を取りまとめていくために、全社員に対し共通の目標、すなわち、当社融合後の目指す姿を定めました。「東京で暮らすすべての人が憧れる企業像を目指す」「7000人総活躍会社」として、社員一人ひとりが安心して働くことができ、「この会社で働いていて良かった」と思える会社。

お客さまにとっては、「この会社のサービスを利用したい」そして、地域にとっては「なくてはならないお店」を、この首都東京で実現することを全社員と共有し、地域に根差す企業像の構築、企業ブランド価値向上へむけて、融合後の第1歩を歩み始めました。

DXで「顧客対応力」を強化

野口:先ほど、お客さまの求めるニーズに合わせ、企業も変化すべきというお話がありましたが、貴社ではデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいるというお話も聞いています。これも「顧客対応力」の強化につながるものなのでしょうか。

片山:店舗はお客さまと直接やり取りする貴重な場です。そのため、多様化するお客さまのニーズに寄り添い、それに対応したサービスを提供するため、店舗にメーカー策定の最新版営業支援システムを柱とした「新ディーラーオペレーション(営業の型)」をいち早く取り入れました。一言で表すと、DXの採用により、社内外の情報共有の促進を図りました。

しかしながら、融合2年目を迎えた2020年度は、想定外の「ウイルス蔓延」で始まり、「感染リスク回避と、企業活動の両立」が求められ、いわゆる「ニューノーマル」を前提とした働き方として「非接触営業」を始めるなど、店づくりそのものの早期変革を迫られました。

そこで、次世代店舗として、最新のIT機器を店舗内のゾーンごとに配備し、新ディーラーオペレーションの実現と、お客さまとの絆づくり、さらには、社員の働き方変革を早期実現した「練馬北町店」をリニューアルオープンしました。すなわち「トヨタモビリティ東京のファシリティの考え方」を踏襲した移転新築第1号店です。

具体的には...

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