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消費者行動の音楽心理学

BGMのテンポが遅いと売上は上がるのか?

池上真平(昭和女子大学)

お店で何気なく耳にするBGM。その選曲が、来店者の購買行動に影響を及ぼしていることが分かった。BGMのテンポと売上の関係を読み解く。

業種を問わず、ほとんどのお店ではBGMが用いられている。この店内BGMには、様々な効果があることをご存じだろうか。

最もイメージしやすいのは、空間演出効果だろう。お店のコンセプトや内装の雰囲気と調和する音楽を流すことで、そのお店の世界観が一層引き立つのだ。一方、意外と見落とされがちなのが、マスキング効果である。店内は顧客にとって雑音にもなりうる音─例えばスタッフ同士の会話、他の客同士の会話、食器などのモノ同士がぶつかる音、店外から入ってくる喧騒など─であふれている。BGMはそのような音を覆い隠して(これを聴覚的マスキングという)、顧客の耳に入りにくくするのだ。

しかしBGMのチカラはそれだけではない。というのも、BGMは顧客の感情や行動に作用し、ひいては売上をも左右するのである。本連載では、音楽の要因の一つである「テンポ」に焦点を当てて、研究例を紹介しながら音楽が販促にどのように貢献できるかを考える。

スローテンポで利益増

ここで、アメリカのマーケティング学者ミリマンが、1986年に発表した有名な研究を紹介しよう。ミリマンはテキサス州のレストランで、BGMのテンポが顧客の行動にどのように影響するかの実験を行った。このレストランは、中高年を主な顧客とし、メニューの金額もそれなりに張るオシャレな人気店であった。ミリマンは...

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