全国40社の第三セクター鉄道からなる第三セクター鉄道等協議会は、神社の「御朱印帳」感覚で「鉄印」を集める「鉄印帳」を発売。発案者であり、豪雨災害で被災したくま川鉄道(熊本・人吉市)の永江友二氏に経緯を聞いた。
- 商品名:鉄印帳
- 価格:2200円(税込み)
- 累計出荷個数:2万5500部(2020年11月末時点)
- 主な販路:各鉄道会社の指定窓口、読売旅行、日本旅行。豪雨で被災したくま川鉄道、肥薩おれんじ鉄道、南阿蘇鉄道については公式Yahoo!ショップ
DATA
御朱印感覚でライトファンを獲得
──どのような企画ですか?
第三セクター鉄道等協議会(以下、三セク協)と旅行読売出版社、読売旅行、日本旅行が協働で、御朱印帳の鉄道版にあたる「鉄印帳」を発売しました。協議会に加盟する40社のローカル鉄道が発行する「鉄印」を集めて楽しんでもらう企画です。乗客は各路線の指定窓口で鉄印帳を購入、乗車券を提示し、300円からの記帳料を払って各路線オリジナル鉄印を受け取ります。
40社の鉄印をコンプリートすると、希望者に有料でシリアルナンバー入りの鉄印帳マイスターカードを発行しています。
──旅行会社と協働した理由は。
読売旅行と日本旅行は、新しい鉄道の旅を提案することが上手く、優れた鉄道旅行商品に贈られる「鉄旅オブザイヤー」を何度も受賞しています。両者との協働で新たなファン層の獲得やプロモーションの強化、収益の獲得につながると思いました。
──ターゲットは。
鉄道ファンのみならず、旅行ファンやカメラ好きな方々、カップルやご夫婦の利用を狙いました。これまで鉄道に興味のなかった方々にも、各地を巡って鉄印を集める楽しさを体感していただき、鉄道に興味を持っていただくきっかけをつくりたいと考えました。
妻の趣味が着想のきっかけ
──手帳のようなデザインですね。着想のきっかけは?
私の妻が、すてきなデザインの御朱印帳を購入していたことがきっかけでした。妻はそれほど神社に興味があったわけではありませんが、御朱印帳をきっかけに興味を持ったようです。その様子を娘が見て「流行ると買っちゃう人っているよね」と言ったんです。そのとき、ライトなファンが振り向くデザイン性の高いものをつくることで...