本連載では、小売が実際にデータやデジタル技術を主体的に活用するための手法を紹介していく。今回は、MEO順位の上げ方と観光地誘客のためのデジタル整備について触れる。
気が付けばすでに始まっているニューノーマルの時代に、皆さまもすでに慣れてきたころではないだろうか。意外にも簡単にできてしまったリモートワークや、マスクでどれだけ小顔に魅せられるかなど、案外楽しんでいる面もきっと多いはずだ。
前回の記事では、Googleマイビジネス(以下、GMB)の運用はすでにマストであることをお伝えした。今回は、GMBがどうやって事業課題や行政課題にリーチでき、そこから顧客満足度をいかに高めていけるかを説きたい。
検索ユーザーの76%が来店
この2年間、私が最も耳にしたビジネス課題は「媒体依存を無くしたい」であった。ホームページやSNSをはじめとするオウンドメディアを称して当社では「自社集客」と呼んでいるが、店舗を探すために検索したユーザーの76%がその日のうちにお店に足を運び、さらに購入する割合は28%もあるという驚異的な数字もある。「近くの◯◯」という検索がこの3年間で8倍になったように、「自社集客」を増やすにはGoogleマップ、つまりGMBの整備が近道となるはずだ(図1)。
当社では、MEO(マップエンジン最適化)順位を上げるための要因を機械学習を用いて特定している。その中で口コミの評価よりも更新頻度が重要である、ということが見えてきた。
2020年の9月中旬にあったアルゴリズムのアップデートでは、当社の管理する1万拠点において軒並み順位が上がった。これまで地道ながらもGMBの更新を継続的に実施してきたためだろう。これはSEOにも近しい観点である。そして、当然ながらGoogleが順位決定の三大要素としている...