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コロナ禍でも常連客をつくる

VIPからの指名が絶えない外商部員 接客の基本は「挨拶」と「感謝」

三越伊勢丹「伊勢丹新宿本店 外商部」

経営者やスポーツ選手などのVIPを顧客に持つ外商部員、嶋﨑信也氏。約25年間メンズ館でキャリアを積み、多くの常連客を抱える同氏に顧客と長期にわたって信頼関係を築く接客の極意を聞いた。

新型コロナウイルスの影響により入店客数が伸び悩み、2019年の消費増税前の駆け込み需要の反動減も重なる百貨店業界。三越伊勢丹ホールディングスは、2021年3月期の通期業績予想で、売上高を8230億円と前期比26.5%減になると見込んだ。

逆風吹きすさぶなかで希望の灯りとなっているのが、売場を通さずに直接顧客に商品を販売する、“外商”と呼ばれる富裕層向け接客サービスだ。三越伊勢丹の同部では、2020年6〜8月の売上高が前年同期比で約1割増加。8月には、客単価が約2割伸びるなど、業界全体で苦境が続く中で好調を維持している。

1つ聞かれたら2つ返す

同部では、ストアアテンダントが約80人所属。今晩の夕食の提案から美術・宝飾・貴金属の購入まで、顧客のありとあらゆる買い物を手伝う。

中でも、同部の第一担当マネージャーである嶋﨑信也氏は、名だたる大企業の経営者などから指名を受ける第一人者と言える存在だ。世界最高峰の商品やサービスを知り尽くす富裕層の信頼を掴むための秘訣を、「1つのことを聞かれたら、2つのことを返す」と明かす。例えば、顧客に「カシミヤのセーターある?」と聞かれたら、商品のメーカー名だけでなく、今年のトレンドなど、もうひとつの答えを伝えることが大切だという。

顧客の中心となるのは50〜70代。ただ、ベンチャー企業などで成功した経営者など30〜40代の若年層も抱える。多様なクライアントに接客するだけに、常に3つの顧客像をイメージしているという。

その顧客像の1つ目は、超富裕層。「とにかく多忙な方々なので、『欲しい』と言われたら、直接その日にお届けに伺うこともあります」。購入手段が多岐にわたる時代だからこそ、ネットショッピングにも勝るほどのスピード感を心がけるそうだ。

2つ目は長年のお客さま。重視するのは「今日は何をして驚かせようか」という遊び心だという...

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