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「響く&残るプレゼン」のための2本柱

田中 淳(プレゼンテーションエキスパート)

作成した提案書の説得力は、伝え方で倍にも半分にもなる。相手に効果的にプレゼンを行うための技術について、プレゼンテーションのプロである著者が解説する。

「私、プレゼンが苦手なんです」「どうやったらプレゼンが上手になれますか?」など、多くの方からの悩みを耳にしますが、ひと言「プレゼン」と言ってしまうより2つの要素に分けて考えた方が、より早く解決に結びつくと思います。

「それは「話の流れが掴みやすく理解しやすいか=ストーリー」と「気持ちよく聞けて納得しやすいか=パフォーマンス」の2つです。単に「プレゼンが苦手」と言っても、2つのうちどちらが苦手なのかが分かると対策も講じやすいし、仮に両方うまくいっていない場合でも順序立てて改善策・向上策を考えることができます(図1)。今回はこの「2本柱」について、解説していきます。

図1 「響く&残るプレゼン」の2本柱

筆者作成

パフォーマンスの向上−1
「緊張」との付き合い方

プレゼンの悩みとして最も多く挙がってくる「緊張する・あがる」ですが、「緊張」とうまく付き合う方法を知ることがプレゼンパフォーマンスを向上させる第一歩となります。

①「緊張」に対する考え方を転換する

大勢の前で話す場面に遭遇した際、大抵の方が「どうしよう、緊張してきちゃった」という表現をされます。「悪いものがやってきた」というニュアンスで語られるのですが、はたして緊張はそんなに悪いものなのでしょうか?

大事な発言・発表を行う場面であれば緊張するのは当然であり、恥ずかしいことではありません。むしろ使命感・責任感に起因するものとして誇りに感じるべきです。加えて、緊張しているプレゼンターからは、余裕綽々のプレゼンターよりも真摯さ・真剣さが感じられます。実は非常に有利な状況になっているのです。

従ってプレゼン前の緊張は、まさに「プレゼンモード」に入ってきた象徴であり「よし、いいぞ!緊張してきた!」と歓迎すべきものなのです。

多くの著名人が緊張に関して名言を残してくれています。緊張の有用性・重要性が伝わるし、同時に大きな励みにもなると思います(図2)

図2 著名人による「緊張」にまつわる名言

筆者作成

②2つの「してはいけない」を捨てる

ひとつは「原稿を読んでもかまわない」ということです。読み原稿をしっかり自分で組み立て、相手にも随時視線を送り、感情を常にしっかり籠めれば十分なパワーを発揮します。暗唱する労力や忘れるなどのリスクを考えれば「読みプレ」もひとつの立派な手法です。ただし、下を向いたままひたすら読んでいるだけ、ということだけは絶対に避けてください。

もうひとつは「噛んでもつかえてもかまわない」ということです。昨今バラエティ番組を中心に、噛んだりつかえたりした人をからかうシーンが増えていることもあり、噛むことを「恥ずかしい」「ダメなこと」とする風潮が広まっていますが、それは気にしないでください。皆さんは「噛まずに話すプロ」ではなく「よい企画を生み出し提案するプロ」なのです。

③入念にリハーサルを行う

緊張することのひとつのメリットとして「不安だから一生懸命準備や練習を行う」ということが挙げられます。ある著名なプロレスラーの方が「格闘家は臆病な方がいいんだ。その方が一生懸命練習するから。」と話していましたが、その言葉通り「緊張しやすいプレゼンターこそ、しっかりリハーサルして本番に力を発揮することができる」のです。

ほどよい緊張感に十分練習した自信が加わった状態、これこそプレゼンにおける最高のコンディションと言えるでしょう。本番と同じテンポ・発声で最低3回、できれば1回は人に聞いてもらいながらのリハーサルを励行してください。

パフォーマンスの向上−2
「プレゼンらしさ」の実践

プレゼン時のパフォーマンスには規則もルールも特にありません。ただ、日ごろ友人や家族と接している時の話し方と明らかに一線を画していることは不可欠であり、日常と比較した場合の「プレゼンらしさ」を意識することがプレゼンパフォーマンスの向上に直結します。

①口をはっきり動かす

「あいうえお」の口の動きを意識して声を出してみてください(図3)

図3 プレゼンらしい発声のポイント

筆者作成

口だけでなく喉の奥の方まで使うことが理想です。「あいうえお」がはっきりすること、そして必然的に話す速度が制限されてくることで、一つひとつの音・単語・文節が聞き取りやすくなります。

また、口元がはっきりと動く様は視覚的にも効果があります。コロナ禍で報道番組などでもリモート化が進み、多くのコメンテーターがPC画面上に登場していますが、口をしっかり動かす人の方が、聞きやすいだけでなく視覚的なイメージも高いことに気づかれると思います。

②司会者の意識を持つ

画面や資料に記されたものは極端に言えば「読めばある程度分かる」のですが、ここにプレゼンターが...

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