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攻勢の販促キャンペーン

社会の感情を読み取り 低予算でもバズるキャンペーンに

河西智彦氏(博報堂 統合プラニング局)

コロナ禍で話題化した「姫路セントラルパーク」の「日本一癒されるサイト」を手掛けた博報堂の河西智彦氏。低予算でも効果を発揮できる小規模プロモーションのポイントを語る。

少しだけ行動を変化させる販促

──新型コロナウイルスの影響で消費動向が変化し、逆境に立たされている企業も増えています。

消費動向は人の行動に直結しているからこそ、多くの企業が「外出を控える」「人との接触機会が減る」ことの影響をもろに受けていますね。ただ、“巣ごもり需要”で好調な企業もありますし、業態によって完全にプラスとマイナスに分かれている印象です。

ひとつ言えるのは、「外出しない」「外食しない」「遠出しない」など、コロナ禍では生活者の行動がだいたい同じになること。その影響で業態の中での売上の傾向もほぼ同じになります。「前年比8割」という業態であれば、そこに属する会社は75%もあれば82%もあるけれど、だいたい約8割になるという状態。その中で差別化するにはプロモーション施策が重要になります。

──コロナ禍でも効果を発揮する企画をつくるには、どのような発想の転換が必要でしょうか。

外出機会が減っていることで売れなくなったモノはたくさんありますが、例として日焼け止めを挙げます。外出しないのになんとしてでも“日焼け止めを売ろう”としても、困難です。

このように、いまは新型コロナへの警戒から生活者の行動に多様性がなく、同じになってしまっています。そんな中、「もっと外出させる」「もっと外食に行くようにする」のように生活行動をひっくり返すのはかなり難しいでしょう。つまり、「売上前年比8割」の業態が、急に100%や120%になることはほぼ不可能です。ただ、「前年比8割」の業態で「自分の会社はなんとか85%にする」ことはできると思います。

コロナ禍でのキャンペーン・プロモーション企画のポイントは、人間の行動や心理を分析することです。まず、自社の商品やブランドが属する業態に対する現在の生活者の行動心理を読み解いて、それをどこまで変えていくことができるのか、を考えるのです。

先ほども触れたように、今の行動心理として「外出したくない」がありますよね。それを「毎日外出しよう」と180度変えることは無理。しかし「月に1回・週に1回だけ外出しませんか」なら可能性はあります。それを目指したほうが、生活者の納得感も得られますし、行動障壁も軽くなると思います。

ウェブサイトを3日で制作

──コロナ禍では、担当された「姫路セントラルパーク」(兵庫県姫路市)の企画が話題になりましたね。

サファリパーク型動物園や遊園地などがあるレジャー施設「姫路セントラルパーク(姫セン)」(ジャパンパーク&リゾート)は、2019年からとても好調で来園者が激増していたところでした。しかし、新型コロナの影響で当然客足は減少、4月9日から臨時休園に。そこで制作したのが「日本一癒されるサイト」(4月11日オープン)です。

このサイトでは、カワウソやレッサーパンダの赤ちゃんなどの、飼育員にしか見せない動物たちの愛くるしい姿を収めた写真や動画を公開しています。特に3月に生まれたばかりのチーターの赤ちゃんは人気でした。得意先のアイデアでInstagramのライブ配信で紹介したほか、YouTubeでは「24時間見守りライブ」も行いました。

姫センとは、2018年に閉園したスペースワールド(北九州市)からの縁で1年前から広告を担当していましたが、緊急事態宣言(4月7日)直前に、支配人や担当者と話をして、その場でこの企画が生まれました。「人が来られない状況で、何をしたらいいのか」と考えたとき、「姫センに来てください」ではなく「姫センの存在や動物」をアピールしてマインドシェアを獲得したほうが自粛解除後に集客できると考え、目的を切り替えました。

──「癒し」をテーマにしたのはなぜですか。

生活者の行動を考える上で参考にしていたのが、日本よりも先に新型コロナが蔓延していた他国の状況。コロナ禍の人々の行動はだいたい同じになるので、他国を分析すればこの先どんな生活になるか分かります。そこから...

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