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攻勢の販促キャンペーン

コロナ禍の企画で重要なのは「場所」と「文脈」の設計

石原 篤氏(ISHI)

プロモーションをベースにした企画を得意とするISHIの石原篤氏。コロナ禍で手掛けているキャンペーン事例を基にコミュニケーション設計における変化を分析する。

IGTVでコミュニケーション

──コロナ禍に携わっていた企画は。内容や展開に変化はありましたか。

以前から、アダストリアさんの「niko and...」というブランドに携わっていましたが、コロナ禍で店舗が閉鎖されたこともあり、緊急事態宣言後の4月11日からInstagramの IGTVでスタッフの方たちがリレー形式で映像を配信する企画をスタートしました。

「niko and...」はライフスタイルを編集しながら提案するブランドなので、スタッフによるライフスタイルコンテンツを広告コミュニケーションとして展開したのです。

オープニングやエンディングにフレームをつけて統一感を出しましたが、撮影と編集はすべてスタッフの方たちによるもの。とにかく高速高頻度でアップし続けました。店舗営業再開後は、インスタライブやYouTubeチャンネルもリニューアルし、緊急事態宣言中の1カ月ほどでデジタルコミュニケーションの枠組みを再構築しました。

苦戦するアパレルブランドが多い中で、アダストリアは自社でECサイト「.st(ドットエスティ)」を運営されてきたことがコロナ禍において大きな強みになりました。ECサイトで取り扱っているアイテムから逆算して、Instagramで訴求するアパレルや雑貨を決め、商品の動きとInstagramの反応を両睨みしながら、施策をチューニングしていったのです。

同社のように、店舗・ECプラットフォーム・SNSなど多様な入り口をつくってきた企業ほど、現在のように社会環境が大きく変化しても、消費者が離れにくいことを実感しました。

3つの軸から考える

──そうした社会の変化にもフィットする、柔軟なコミュニケーション設計に必要なものは何でしょうか。

広告ではまず、「メッセージは何か」を考えます。それは決して間違ってはいないし、メッセージという基盤がなければコミュニケーションを構築していくことが難しいのも事実です。ただ、私はセールス・プロモーションに向き合ってきた経験をもとに、メッセージだけでなく、3つの軸から構造を考えるようにしています。

まず「場所」。場所といっても出店場所だけでなく、コミュニケーションやプロモーションの発信場所も含む、事業の多面展開にもつながる視点といえます。次に「時間」。これは、「シナリオ」と言い換えてもいいかもしれません。そして「文脈」。この3つの軸を意識しながら設計していくことが大切ではないかと思います。例えば、プロモーションをリアル店舗で展開するのか、オンラインで展開するのか。Instagramの投稿ならストーリーズ、フィード、IGTVのどこにアップするのか。それらを考えることが「場所」の設計です。

プロモーションをどのタイミングで、何日間かけて実施するのか。コンテンツはどの順序で展開していくのか。これらは「時間(シナリオ)」の設計にあたります。

そして一番大切なのは、それらの入り口となる「文脈」です。今、社会にどんな空気が流れているのか、どんな潮流があるのか、そこにはどのようなトレンドが存在するのか、ということですね。こうした「文脈」の設計は、すでに多くの方が実践されていることだと思います。しかし、なかなか成果や実感に結びつかないという場合は、文脈の捉え方が少しズレているのかもしれません。

この3つの軸は新型コロナウイルスの発生前から重要でしたが、コロナによって「場所」が限られるようになりました。また...

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