新型コロナウイルスの影響で約3カ月間開幕が延期となったプロ野球。福岡ソフトバンクホークスは、オンライン企画でファンとの交流を保ち続けた。その結果、球場に足を運べないファンとの接点づくりにもつながっている。
- 運営:福岡ソフトバンクホークス
- 設立:2005年(ルーツの南海軍は1938年設立)
- ホームタウン(プロ野球地域保護権を有する地域):福岡県
- 本拠地:福岡PayPayドーム
- 昨シーズン観客動員数:265万6182人(2019年3月〜9月)
- ファンクラブ会員数:約15万人以上
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TEAM HISTORY
リーグ優勝5回の強豪チーム
2005年、ソフトバンクがダイエーから球団株式と興行権を取得したことで誕生したプロ野球球団「福岡ソフトバンクホークス」(パシフィック・リーグ所属)。ルーツとなる南海軍は1938年に大阪で創設されたが、1989年に「福岡ダイエーホークス」として福岡に本拠地を移した。2005年以降では、リーグ優勝を5度経験している強豪チームだ。
本拠地の福岡PayPayドーム(福岡市)は日本初の開閉式屋根を有するドーム球場。2019年2月に大改修を終えて、2020年には「福岡ヤフオク!ドーム」から「福岡PayPayドーム」に改称された。現在の収容人数は4万122人。観客動員数は2015年シーズンに初めて250万人を突破した後も増加傾向にあり、2019年シーズンには累計265万6182人と最多動員数を記録した。
球団創設80周年を迎えた2018年には、次世代型複合エンターテインメント空間の創出を目指す、「FUKUOKA超・ボールパーク宣言」を発表。その施策の目玉として、2020年7月21日に球場に隣接する形で複合エンターテインメント施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」をオープンした。地上7階建ての建物には、絶景を楽しめるのアトラクションのほかチームラボの新ミュージアムやHKT48の劇場などが入っている。元監督で現在は取締役会長を務める王貞治氏のベースボールミュージアムも、この施設内にリニューアルオープンした。
開幕が約3カ月延期され、6月19日にスタートした2020年シーズンのプロ野球。福岡ソフトバンクホークスは、この公式戦が行われない期間を使って、ファンや地域とのつながりを強化した。
YouTubeでファン向け動画を配信
広報室室長の井上勲氏によると、3月9日に開幕延期が決定した後は、開幕の時期も観客を入れる時期も、球団の意思だけでどうすることもできない状況だった。そこで、「球団は何ができるのか、何をしていいのか、ファンや世の中は何を求めているのか」などと考え、3月27日に公式YouTubeを使った「おうちでサァイコー!」プロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトでまず行ったのが、子どもたちに向けた発信。3月27日には、工藤公康監督監修のもと制作した、室内でできるトレーニングを選手らが実演する動画「おうちで工藤塾」の第一弾をYouTubeで公開した。さらに同日、ドーム限定発売のグルメのレシピを再現する「ホークス公式 おうちでスタ飯!」シリーズもスタート。第一弾として、「松田選手のアンガスサーロインステーキ丼」の動画を配信した。
4月24日には、球団会報誌の選手対談企画をYouTubeで公開する「『しゃべりタカ〜。』特別編」も開始。動画内では、Twitterなどでファンから募った質問に回答したほか、ファンクラブ会員などには選手に電話で直接質問できるチャンスも設けた。
YouTubeで配信した動画の中で、特に反響があったのが...