popInが4月に予約販売を開始した「popIn Aladdin2」。好評だった初代に続く第2弾で、先行予約で1万台を完売した。代表取締役の程涛氏とマーケティング部の岡本岳洋氏にヒットの仕掛けを聞いた。

- 製品名:「popIn Aladdin2」
- 価格:一般販売価格9万9800円(税込)、先行予約特別価格7万9800円(税込)
- 累計販売数:1万台
- 主な販路:自社ECサイト
DATA
購入者は20〜40代が94%
──2018年11月に発売し、累計販売台数5万台を突破しているプロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」。開発の経緯は。
程:私個人のアイデアがきっかけです。息子が文字を覚えるために壁にポスターを張っているのを見て、「壁が面白い情報空間になるのではないか」と気が付いたんです。ポスターは張り替えないと表示内容を変更できませんが、これを自由に変えることができれば、自宅の壁に新しい情報空間が生まれるのではないかと考えました。
また、最近は自宅にいても家族が各人のタブレットやスマートフォンでコンテンツを楽しんでいる状況があると思います。同じ空間にいるのにおかしいですよね。家族間コミュニケーションの希薄さにもつながっていると感じたので、この問題を解消したいという想いもありました。
だからこそ、この製品はテレビや各種デバイス、プロジェクターなど、既存の市場への参入を目指すのではなく、“在宅時の楽しみをリコメンドする”という新しい価値を提供する製品として捉えています。
──ターゲットは。
程:市場をセグメント化した時に、私自身と同じような家族構成で、同様の悩みや要望をもつ人は確実にいると考えたので、ターゲットは自分に似た環境の方を想定していました。
結果として、初代モデルの購入者は30代が45%と最多で、そこに20代と40代を加えると94%にも上りました。まさに私と同じ世代で、子どものいる家族が購入する傾向がみられました。そのほか、独身やDINKs世帯による購入もありました。また、購入者が所有する家電ブランドについての調査では「バルミューダ」や「ネスプレッソ」といったブランドが上がりました。
HOW TO USE

照明器具に「高性能プロジェクター」と「高音質スピーカー」を搭載した3in1シーリングライト。シアターはもちろん、時計や写真を投影して「未来の壁」としても使用できる。
カギは連続的な情報接触
──第2弾である「popIn Aladdin2」は、2020年4月27日からの先行予約で1万台を完売する、想定外の反響となりました。今回のプロモーション戦略を教えてください。
程:元々、先行予約は限定3000台の予定でしたので、それを大幅に超える反響をいただくことができました。プロモーションについては、「popIn Aladdin2」は店頭販売をしていないため、ECサイトでの購入につなげる動線をいかにつくるかが課題でした。
私は初代モデルでの経験から、消費者が認知から購買にいたるまでの態度変容においては、「情報への接触量」が重要だと感じていました。そこで、「popIn Aladdin2」のプロモーションは「連続的なコミュニケーション」をキーワードに...