ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、その着眼点と戦略について迫ります。


電話を進化させたオンライン商談システム
音声は電話を、画面はネットを利用して相手と商談を行う。専用アプリをインストールする必要はなく、マイクやスピーカーを準備する必要もないため手軽に導入できる。
ベルフェイス
導入ハードルの低さで1300社以上が使う商談システム
電話をしながら、オンラインでコミュニケーションが取れるベルフェイスの商談システム「bellFace」を導入する企業が増えている。
オンラインによる会議システムは、Zoom、Skype、Google Meetなどがある。bellFaceは商談に特化し、電話を活用しているのがこれらのシステムと異なる点だ。
利用方法は、まず営業担当者が顧客に電話し、顧客にbellFaceの「オンラインルーム」にアクセスしてもらう。顧客は自分のデバイス画面に表示された4ケタの数字の接続ナンバーを、営業担当者に電話で伝える。営業担当者が接続ナンバーを入力すればbellFaceでつながるという流れだ。
専用アプリをインストールする必要はなく、マイクやスピーカーを準備する必要もない。音声は電話を、画面はネットを利用する。2015年のサービス開始以来、2020年4月時点で1300社以上が導入した。
新型コロナ対策でいち早く無償提供
3月5日からは新型コロナウイルス対策支援として、期間限定でbellFaceを無償で提供している。申し込みをした企業には、ベルフェイスの担当者が約30分、使い方を説明し、オンラインセミナーも実施している。この無償提供には、4月末時点で、想定を超える1万社以上の申し込みがあった。
申し込み企業の中にはBtoCの有店舗事業者も含まれている。一般消費者向けに物件を紹介しているある不動産会社では、これまでの来店型接客からbellFaceを使ったオンライン接客に切り替えたところ、全接客のおよそ4割がオンラインに移行できたケースもあったという。
「ネットワーク環境が不安定で音声が途切れてしまうと、特に営業活動においては営業担当者と顧客双方にとって大きなストレスとなってしまいます。bellFaceは電話を使っていますので、その心配が基本的にありません。また電話を活用することで、ITに詳しくない人でも手軽に使ってもらうことができます」。そう説明するのはベルフェイス代表取締役の中島一明氏だ。
ユーザーからのバイラル効果で拡大
bellFaceは業種を問わず導入されているが、最近は特に次の3つの業種で導入が進んでいるという。
ひとつは、ITを活用したサービスを提供している企業。SaaS企業やITベンチャーと言われている企業だ。ふたつ目は求人広告を扱っている企業や人材サービスを提供している企業。そして3つ目が不動産や保険などBtoC事業を行っている企業だ。「導入が進んでいるのは、ITリテラシーがそれほど高くない企業や個人に営業活動を行っている企業が、傾向として多いようです」。
サービスの認知拡大のためのプロモーション展開では...