2019年からB3リーグに参入したベルテックス静岡。県内初の男子プロバスケットボールチームとして、地域に根付いたプロモーションで全県のファン獲得を狙う。
- 運営:VELTEXスポーツエンタープライズ
- 設立:2018年
- ホームタウン:静岡市
- ホームアリーナ:静岡市中央体育館
- 昨シーズン観客動員数:1万5284人(2019年9月14日~2020年3月17日)
- ファンクラブ会員数:660人
- パートナーシップ企業:40社
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TEAM HISTORY
静岡市を盛り上げるために設立
ベルテックス静岡は、2018年に静岡県内初のBリーグチームとして誕生。VELTEXスポーツエンタープライズ代表取締役社長の松永康太氏が、男子プロバスケットボールチームのない静岡市を活性化させるために立ち上げた。所属選手はB1やbjリーグ(*1)で活躍した大石慎之介選手(静岡県沼津市出身)など県内出身の選手が中心。
*1 2005年から2016年まで日本プロバスケットボールリーグが主催していた日本プロフェッショナルバスケットボールリーグ。
同社のミッションは「スポーツで、日本一ワクワクする街へ。」。静岡市は松永氏が学生時代を過ごした街。バスケットボールを選んだ理由は、高校時代にプレーしていたことと、県内を本拠地とする男子プロチームがなかったためだ。
ベルテックスは2019年9月からB3リーグに参入したが、2020年3月に新型コロナウイルスの影響でBリーグの全リーグ戦が中止に。そのまま全日程を消化せずにシーズンは終了。ベルテックスは12チーム中10位という結果となったため、来シーズンもB3リーグに留まる。2021年春以降のB2ライセンス取得を目指し、準備を進めている。
5月1日には松永氏は公式サイトでメッセージを発信。「ミッションを実現する歩みは止めないこと」「昇格はなくとも“優勝”という結果を求めて挑戦を続けること」などを伝え、チームへの継続支援を求めた。
2019年9月14日、15日に開催されたベルテックス静岡(VELTEXスポーツエンタープライズ)の初陣。ホームアリーナである静岡市中央体育館には、1日目1574人、2日目1542人の観客が集まり、両日とも満員となった。
チームを運営するVELTEXスポーツエンタープライズ代表取締役社長の松永康太氏によると、その要因としては、“県内初の男子プロバスケットボールチーム”として期待感の高まりや、地元出身選手の獲得で市民の注目を集めたことが挙げられる。
初めてのシーズン開幕にあたって、課題はチームの認知拡大だった。「静岡バスケ熱狂元年。」というコピーをつくり、ポスターの掲示やチラシの配布で告知を行うとともに、選手による地域貢献活動も積極的に実施した。地域のイベントに招待された際にもできる限り多くの選手が出席し、顔と名前の認知向上に努めた。
2019年8月から行われたプレシーズンマッチ(前哨戦)では、無料招待企画も開催。より多くの観客にチームやアリーナの空気を体感してもらえる仕掛けをつくった。
松永氏は「できることから始めたので、決して特別なプロモーションをしたわけではない」と話すが、結果的には多くの市民の認知を得ることができた。開幕戦の来場者にはバスケットボールファンだけでなく、サッカーファンも多く見られたという。「地元のチームを応援したいという気持ちを持った、スポーツ全般が好きな方が多いことを実感した」と松永氏。


リーグ初参加のシーズンは全60試合中21試合を残して中止。最終順位は13勝26敗の10位となった。Bリーグ、bjリーグでの実績を持つ選手会長、大石慎之介選手は、入団会見では5年以内のB1昇格を誓った。
©VELTEX SHIZUOKA
レストラン「さわやか」のような存在に
ベルテックスの主なターゲットは市内在住の家族連れ。参考にしているのは、異業種だが...