靴下メーカーの岡本(大阪市)が2018年に発売した「脱げないココピタ」。ブランド化や、ドラッグストアでの販売強化がヒットに結び付いた。立ち上げから担当したマーケティング本部の大林勇士氏がその裏側を語る。

- 商品名:脱げないココピタ
- 価格:350円(税別)
- 発売:2018年3月
- 累計販売数:約2000万足(2019年12月時点)
DATA

「脱げないココピタ」販売数の推移
社内ワークショップから開発
──「脱げないココピタ」は2018年3月の発売当初から好調ですね。ヒットに至った経緯を教えてください。
2017年9月に展示会を開催したのですが、その時からすでに大きな反響がありました。2018年には、まず福岡県と沖縄県でテストマーケティングを行い、テレビCMも放送しました。ここでも想定以上の売れ行きで、欠品が起こるほどでした。
発売後も右肩上がりで、2019年12月までの約2年間の累計で2000万足を突破しました。2017年のフットカバー全体の販売足数と比較すると、2019年の売上規模は10倍に跳ね上がっています。
ココピタはまずレディースを発売し、2018年9月にはメンズラインもスタートしました。その後、深さやカラーが増え、2020年春夏の商品は120種類(深さ・カラー・サイズ展開含む)のラインアップがあります。そのため、着用する靴別のニーズに合わせてシリーズの様々な商品を買っていただいているリピーターが多いですね。
──“脱げない”にこだわったフットカバーを開発したきっかけは。
ココピタが生まれたのは、2017年に開催した、商品企画を考える社内ワークショップの場です。当社は顧客目線で商品を企画・開発するマーケティングカンパニーを目指しているので、このような場を設けています。
ワークショップでは、まず自社の売上を分析。売上全体の中で「フットカバー」と「スニーカー用」の2カテゴリーの構成比が高くなっていることが分かりました。これを踏まえて、構成比の高いフットカバーの改良を決めました。
消費者調査によると、フットカバーの不満として多いのは「歩いているうちに脱げてしまう」という点でした。当社では、2014年ごろから研究開発担当者を中心に、この“脱げてしまう”課題の解消に取り組んでいましたので、それを活かした商品を開発することになりました。
その結果...