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リベンジ消費に備えて いま小売店舗がすべきこと

北村光晴氏(中国市場戦略研究所 コンサルタント)

中国では3月に入り、eコマースでの売り上げが前年より倍増しているという。背景には、外出制限によって、春節を自宅で過ごすといった消費抑制の反動がある。今後、中国の消費はより活性化すると予想される。では、その状況に対して、日本の小売店舗はどう対応をしていくべきか。

画像=123RF

コロナ騒動で生じた 中国の新しい買い物パターン

大きな買い物シーズンでもあった春節を自宅で過ごさざるを得なかった中国では、この期間を通じて、2つの新しい買い物パターンが見られた。

まずは、1月〜2月に特徴的だったのは「買いだめ」だ。すでに、「饿了么(アーラマ)」「美団(メイダン)」などのフードデリバリーや、「盒马鲜生(フーマーシァンシェン)」などのネットスーパーなど、宅配サービスは生活にかなり浸透している。

「いつでもどこでもネットで注文し、家でも会社でもどこにでも配達してもらう」ことは日常の一場面だ。この安心感や、日本のように天災を意識することが少ない土地柄もあってか、日用品を少し余分に買っておく程度の「買い置き」はこれまでもあったが、より意図的な「買いだめ」という動きはほとんど見られなかった。

今回の外出制限によって、物流が滞ったり、春節で帰省していた配達員が都市に戻れなかったりなどの問題が発生した。そのため、店頭で品不足が起きたり、デリバリーができなくなったりし、「輸入製品がしばらくなくなってしまうかも」といったような口コミもあった。この「買いだめ」という新たな消費パターンは、このような世の中の不安が急激に高まったことが大きな原因と思われる。

このことはデータにも現れており、中国の国家統計局発表のデータによると、2020年1、2月分に関して、前年同月比の売り上げは、レストラン(43%減)、車(37%減)、家具(34%減)、家電(30%減)と、いわゆる“不要不急”のカテゴリーでは大きく下がっているのに対し、食品(10%増)、飲料(3%増)と生活必需品では増加した(この傾向は現在の日本でも同様か)。

少し落ち着いた3月になると、それまでの買い物の我慢からか、うっ憤をはらすかのような「リベンジ消費」という買い物パターンがうかがえた。

中国におけるネット通販の商戦時期として「ダブルイレブン(独身の日)と言われている11月11日は、日本でも有名だ。そして、3月8日の「女王祭」もネット通販にとっては、商戦期になる。「女王祭」は、女性のみが休日となる婦人の日(世界的には国際女性デー)にちなんで行われる大型のセールだ。

ことしの「女王祭」はかなりの盛況だったと聞く。「天猫(Tモール)」に出店する2万以上のブランドで、売り上げが前年同期比で倍増し、さらに、「淘宝(タオバオ)」ではライブ配信での売り上げが同264%増にまで達したようだ。

また、ショップへの問い合わせも殺到した。育児やスキンケア、ヘルスケア、医薬品、食品などで多く、春節時の10倍ほどに増えたと言われている。

なお、データではまだうかがえなないが、別の動きも想像できる。これらのリベンジの中身は以前の消費の嗜好と変わっているのではないかということだ。

日本でもバブル期に好まれたものが必ずしもその後も買われたわけではなかった。それと同様に、中国でも成熟・成長した一部の消費者は、やたらと高額な化粧品を買うようなバブリーな背伸び消費から、身の丈に合った商品を買う、より堅実な消費に移行するのではないかと考えられる。具体的には、健康や体、家族といったキーワードの分野が今後注目されるかもしれない。

6月18日には...

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