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新・売り方の構築

オンラインでの販売チャネル構築のために 勝てるeコマースの始め方

田村雅樹氏(ダイレクトマーケティングゼロ)

昨今では、外出自粛の影響もあり、オンラインでの購入が活発になってきている。これは一過性の動きではなく、今後も小売業にはオンラインでの販売チャネル構築・拡充が求められることになるだろう。ここでは、eコマースを始める際のポイントを紹介する。

実店舗を持つ小売のEC立ち上げ成功のポイント

世界中が外出自粛を余儀なくされている昨今、小売業を営む者にとって、まさに転換期を迎えていると言っても過言ではないだろう。

この騒動の前から、当社ダイレクトマーケティングゼロ(DM0)には、eコマース(EC)化について、日々、多くのコンサルティング依頼が来ている。だが、残念ながら少なくない企業が、明らかな勘違いをしていたり、武器を持たずに戦いに出ていくケースを目にする。

本稿では、EC、なかでもD to Cで成功するポイントについて解説していきたい。まずはECとD to Cの違いについてふれておく。ECは、「機能」としてオンラインでの購買活動を指すものとして、D to Cは、オンラインを主軸にした「連続する関係性」として、顧客を維持していくブランドを指す言葉として扱うことにする。

言い換えれば、すでになんらかの小売ビジネスを展開している企業がオンラインに設けた販売チャネルをECと呼びたい。他方、販売チャネルとしてだけでなく、PRや集客、コミュニュケーション、ブランディングなど、オンライン中心の統合マーケティングで、果てはアナログ(オフラインチャネル)も包含し、自己完結できる手法をD to Cと呼ぶことにしよう。

まさに、このECとD to Cの違いこそが、実店舗を持つ小売業のEC立ち上げにおいて成否を分けるポイントである。断言したいのは、いまさら、販売の受け皿としてのECを目指しているようでは、この群雄割拠するデジタルの世界で確固たるポジションを築くことは難しいということだ。

しかし、いままでオフラインの小売業や卸売業を主軸としてきた企業にとって、高い確率でそのアセット(資産)が足枷になる。従来の販売チャネルやアセットが大きければ大きいほど、受け皿としての機能を求められるし、そもそも、自立など求められていないケースも多い。

このような形でのEC化は、一時的に売り上げをつくることができても、中期的な観点からすると、衰退していくだろう。

いま、小売業が目指すべきD to Cは、「自立し、つながりを大切に、統一されたEC」である(図1)。

図1

「自立した」とは、自ら新規顧客を獲得できる状態のことを指す。実は、ECをスタートするにあたって、最も重要で、最も難しいのが「新規顧客を適切なCPAで獲得できる」という項目である。CPAとは、1人の新規顧客を獲得するのにかかる費用(Cost per Acquisition)のことだ。

では、適切なCPAとはいくらか。マジメな算出の仕方と、ざっくりとした算出の仕方の両方を説明する。マジメな算出の仕方は顧客生涯価値(CLV)の2分の1以下と考えていただければよい。

CLV(Customer Lifetime Value)の算出方法は、たとえば昨年4月の新規顧客を抽出し、彼ら・彼女らからことし3月までに受注したトータル金額を、人数で割れば出すことができる。もちろん、これからECを始める方も多いと思うので、CLVがシミュレートできないという場合もあるだろう。そのため、ざっくりと基準CPAを2つほど出すので参考にしたい(図2)。

図2

新規顧客を獲得するために必要な3つの要素

新規顧客を獲得するために、用意してほしいものが3つある。それは、「USP(独自のウリ)のあるリード商品」「遷移率の高いクッションページ」「CVR(コンバージョン率)の高いLP(ランディングページ)&カート」である。

まず「USPのあるリード商品」だが、これは難易度の高いリクエストになる。なぜなら、小売をしている企業の場合、すでにある商品を売らなければならないことも多いからだ。ちなみにUSPの三要素は、「新規性・差別化・ストーリー」である。

あったら苦労しないのだが、安心してほしい。USPはつくれる。どういうことかというと、商品自体に強いUSPがなくても、エビデンスを取得したり、ディプロマ(証明書)を取得したり、著名人の体験談をもらったり、権威者の監修をつけたりすることで、USPはあとから補完できるのだ。とにかく顧客が、「えっ、本当?なんかすごそう!!」をつくるべきである。

次に、「遷移率の高いクッションページ」について。クッションページという言葉を初めて聞く人も多いと思う。記事LPと呼ばれたり、中間ページと呼ばれる。このページの重要性は、直近5年で重要度が増してきている …

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