企画を立てるのは、何から始めればいいのか。立てた企画の良し悪しはどう見極めるか。教科書じみた正解がない分、面白くもあり、困難でもあり。第12回販促コンペ審査員(一部)からのアドバイスを一挙掲載いたします。
審査員

博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
インタラクティブディレクター
石毛 正義氏
空間デザインプロデュース業務を担当後、本質的な課題解決を目指しマスから店頭まで一貫したプランニング・プロデュース業務に従事。現在は顧客基盤を支えるUX/UI設計、リアル体験とデジタル体験を行き来する統合コンサル&プロデュース、クリエイティブなどを新たな価値創造に取り組む。
「WOW!がある提案」は良い企画だと思います。そのためにも企画を一言で伝える、言葉を磨き上げるプロセスが必要ですね。行き詰まった時には仮説を逆転させてみたり、自分ならどんなトリガーを引かれると行動するか考えることでアイデアの"飛距離"を併せ持ったあなただけの企画にたどり着くはずです。あと、2人やチームで考えてみると見落としていたアイデアの種も見つかるかもしれないのでおすすめします。

博報堂 第3クリエイティブ局
チーフアクティベーションディレクター
大久保 重伸氏
「ショッパーズエンターテインメント」をキーワードに、IT系・エンタメ系・キャラクター系から顧客視点の企画・実施まで統合マーケティングをプロデュース。2015年「ちゃんりおメーカー」開発。Yahoo! JAPANインターネットクリエイティブアワードGP。「JPM The Planner 2019」受賞。
「販促コンペ」は、アイデアさえあればグランプリが穫れるコンペです。どんな人にもチャンスがあります。でも、アイデアはただ目新しいだけ、ただ面白いだけでは輝きません。「たったひと言で伝わるか?」「たったひと目で魅力的に見えるか?」。その研ぎ澄ませ方で、より良いアイデアへと輝いていきます。課題に向き合って考え抜き、アイデアがキラキラと輝くよう、がんばってください。

ADKクリエイティブ・ワン アカウントプロデュース本部
事業開発局 第2事業開発グループ長
小野 泰正氏
2003年ADKアーツ(現=ADKクリエイティブ・ワン)入社。飲料やトイレタリーほか多岐にわたるクライアントを担当。イベントを軸に、さまざまなアウトプットにおいて、企画から実施までトータルに手がける。世界一美しいフェス「SENSATION JAPAN」の立ち上げにも従事。カンヌライオンズ ショートリストほか受賞。
大切なのは、「自分や家族、友人だったら本当にこの企画で動くか?」と、常に想像することだと思います。いくらキレイにまとまった企画でも行動につながらなかったら意味ないですよね。その企画のどこがスイッチになるのかをシンプルに伝えられるといいのかもしれません。あと、ここだけの話、いいと思う企画はけっこうネタが被ることが多いです。その中でどう勝負できるかもポイントになると思います。楽しみにしています!

電通 第1統合ソリューション局
コミュニケーション・プランナー
來住 貴宏氏
2008年、大広入社。2017年から電通。話題化の視点を大切に、テレビCM、PR、デジタル、アクティベーションなど、手法を問わない統合ソリューションの企画・実施に取り組む。受賞歴多数。New York Festivals 2015/2017 審査員(GRAND JURY)。
企画を、明るく・楽しく・元気よく!自分を追い込み、根を詰めて企画をすることも大切ですが、それが辛くなりすぎないように。アイデアが思い浮かばないときは、思い切ってたくさん寝てみる。やる気が起きないときは、やりきった後のご褒美を決める。一人で考えることに限界がきたら、仲間と一緒にやってみる……などなど。「販促コンペ」という機会、ぜひ、楽しみながら元気な企画を提案してください。

グレイワールドワイド
クリエイティブ局 クリエイティブディレクター
小髙 龍磨氏
2015年GREY入社。PANENE、h&s、FEBREZEなどのFMCG、自動車などのグローバルブランドを中心に、TVCMなどのマス広告から、デジタルやアクティベーションまで幅広い領域のクリエイティブをトータルに手がける。受賞歴は、日経広告賞 最優秀賞/新聞広告賞/広告電通賞/交通広告グランプリなど。
外出できない、こんなときだからこそ、家でひたすら企画を考えよう。この先いつも通りの生活を取り戻せたら、あなたが一生懸命考えたアイデアが必要になるときが、きっと来るはずだから。

博報堂アイ・スタジオ 第1デザインユニット
インタラクティブディレクター/アートディレクター
笹垣 洋介氏
大手ファーストフード、自動車メーカーなど多くのクライアントのキャンペーンやブランディングなどに携わる。Web、イベント、映像など、デジタル施策全般を幅広く担当し、企画・制作を行う。受賞歴にSPIKES ASIA DigitalCraft部門GOLDなど。
ギミックにこだわり過ぎず、自分が素で出会ったらその文脈に乗れるか?行動を変えるか?を常に自問することが大事です。優れた仕掛け人は優れた消費者でもあるはず。自分の生活と地続きの体験としてイメージし、簡潔に言語化する。要点を一言で言えるところまで分解できなかったら、文脈が混在していたり、目的と手段がずれているかも知れません。不安定な社会情勢だからこそ、シンプルで強いアイデアを期待します。