ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
来店客に「ノー」と答えない 接客が2時間以上にわたることも
栃木県宇都宮市に本店を置くサトーカメラは1988年、現在の社長と副社長の兄弟が、家業のカメラ店から地域密着型のカメラ専門店チェーンに業態を変え、社員ゼロからスタートした。現在は栃木県内に12店舗を展開する。
家業を受け継いだときは、カメラ専門店としては最後発組。大手ではやらない地域密着型経営を続け、県内では圧倒的な販売力を誇っている。
「2008年の総務省の調べでは、栃木県はカメラ・レンズの消費量が全国1位で、全国平均の3倍以上と発表されました。当社の販売台数から算出しますと、栃木県カメラ市場の大きな部分を、当社が占めていることがわかりました。現在でも、おかげさまでそれは変わっておりません」(サトーカメラ 代表取締役 佐藤勝人副社長)
サトーカメラの発展の原動力は、店舗スタッフと顧客との徹底した関係づくりだ。サトーカメラの企業理念は「想い出をキレイに一生残すために」(ママ)。カメラなど撮影機材の販売だけでなく、写真プリントも事業の大きな柱となっている。スタッフは来店客のカメラ選びを手伝ったり、プリントする写真を一緒に選んだりと、2時間以上接客することも珍しくない。
「スタッフには、お客さまのご要望がに『ノー』と答えないよう指導しています。『何でもします』という姿勢です。それはエリアを絞り込んでるからできること。何でもやるなんて非効率ですから、大手はやりません。うちはとことんやります。お客さまはこれからも地元に10年、20年と住む方々です。そうした皆さまと信頼関係を結ぶことは、商売において大事なことです」 …