ホームセンター「グッデイ」で実施された3つの特徴的な企画について、親会社である嘉穂無線ホールディングス マーケティング部の岩橋貴樹部長に取材した。
3つの企画、それぞれのポイント
IDEA
①職人向けアプリとコラボ
②1億円分の買い物券
③ねこグッズのセール
FEASIBILITY
①先方との思わぬ縁
②将来も視野に原資確保
③オンラインで商品を解説
REALITY
①職人道具は平日が売れる
②実際に成果あり
③ペットは家族として認知
①GooDay×助太刀「職人さん平日初売りセール!!」
人手を募っている建設現場と職人とマッチングさせるスマートフォンアプリ「助太刀」とコラボレーション。1月6日~1月13日にかけ、「グッデイ」店頭で「助太刀」の「つながる画面(メイン画面)」を提示すると、一部商品を除き、清算時に5%割引した。
──企画の経緯について教えてください
これまでの正月の道工具販売データを検証したところ、三が日よりも仕事が始まった平日からのほうが(道工具の)販売構成比率が上がっていたことがわかりました。そこで職人さん向けの初売りセールを提供することにしました。
──企画上、工夫したポイント、注力、重視したポイントはどのような点ですか
ターゲットとなる職人さんについての理解を、より深めることです。「実はグッデイは『職人さん』について何も知らないのでは?」との疑問がありました。そこで、10万人以上のユーザーを持つ職人さんマッチングアプリ「助太刀」のご協力を仰ぎました。「助太刀」はユーザーを70以上の細かい職種に分類しています。同アプリとコラボレーションすることで、ご来店いただく職人さんの職種もわかりますし、買い回りなども把握できるようになります。
──企画段階から実施までにぶつかった壁はありますか
正月の「平日」にセールをすることについて、社内からは疑問視する声も上がりました。しかし、データを見せながら説明し、広告を出稿するメディアも職人さんというターゲットを考慮して、ラジオを使う案などを示して、社内からの協力を取り付けました。
──どのような効果、成果がありましたか
期間中の全体の売り上げは前年比103%で、道工具部門に限ると同比105%となりました。全体平均を押し上げるというのは想定以上の伸びだったと思います。また、「助太刀」は九州初進出だったのですが、新規の職人ユーザーを獲得し、グッデイもお客さまの行動を把握できるようになりました。今後は、当社のPOSデータと「助太刀」のデータを比較したり、座談会などで商品についての要望などもお聞きしたいと思っています …