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感性と理性の二極化 人間ならではの思いやりDM

全日本DM大賞事務局

体験との相乗効果で、デジタルメディアよりも強い印象を残すダイレクトメール。第34回全日本DM大賞では、顧客の心情に寄り添ったり、AI(人工知能)技術を活用したりして、高い成果を収めたダイレクトメールが受賞した。

    【金賞 グランプリ】
    親子の会話促し、塾への信頼高める『受験生の母子手帳DM』

  • 広告主:東京個別指導学院
  • 制作者:フュージョン
  • 「母子の絆を連想させる〈母子手帳〉を取り上げた、受験生を持つ家族に寄り添ったDMです。親子のコミュニケーション機会を創出し、兄弟や友人の紹介を生み出すなど、塾とのエンゲージメントの引き上げに成功しています」(審査委員長の恩藏直人・早稲田大学商学学術院教授)


    入塾率が伸長、コスト減に受験期の親子支えるDM

    子どもの友人や兄弟を「紹介」してもらうことを目的に、東京個別指導学院に通う受験生の保護者向けに発送したダイレクトメール(DM)。このDMによる紹介からの入塾率は、従来施策よりも高く推移した一方、コストはこれまでの約3割に抑えられたという。

    「母子手帳」をモチーフにし、子どもが受験期を迎えた保護者の心情に寄り添った。冊子型で、子どもの得意科目のほか、趣味や特技、最近がんばっていること、長所などを書き込める。「ほめる・認める」ためのコツなども掲載している。

    受験期になると親子関係は難しくなりがちで、保護者は「どのように子どもと接したらいいのかわからない」と不安を抱くことが多い。「長い受験生活において親子関係がうまくいかないときは、信頼できる第三者をうまく使いましょう」というメッセージが添えられており、東京個別指導学院も頼れる「第三者」であることをさりげなくアピールした。

    「このDMはズルい!もちろん、誉め言葉としてのそれですが」と評価するのは、日本郵便の大角聡氏(郵便・物流営業部長)だ。

    「『母子手帳』というコンセプトをコアとして、受験生の子を持つ親の漠然とした不安、親としてこれでいいのかという葛藤に対し、安心を与えてくれる。わが子と共に受験という荒波に立ち向かうための『お守り』に感じました。正直に言って、わが子が受験生の間に、このDMに出会いたかった。受け取った人の『こころ、震わせた』DMだったのではないでしょうか」(大角氏)

    また、「DMのメディア特性をしっかりとらえ、生かしている。決裁者である両親の共感を呼び、顧客とのコミュ二ケーションが図れています」と話すのは、アクティブの最高経営責任者を務める藤原尚也氏だ。

    「友人を紹介するという難しい施策の成功事例としてもすばらしいと思います。特に、態度変容を2段階で起こせています。クリエイティブも母子手帳のような見せ方で、シンプルで手に取りやすくわかりやすいです」(藤原氏)

    【金賞・審査委員特別賞 実施効果部門】
    AIを活用、二段階に分けたDMで家族を囲い込み

  • 広告主:ソフトバンク
  • 制作者:ジェイアール東日本企画
  • 携帯電話を家族で契約している顧客は解約率が低く、ロイヤルカスタマーになる割合が高い。子どもの誕生月に親の通信料金が割引になるサービス「子育て応援クラブ」を提供しているが、顧客の家族構成や子どもの年齢などの情報がないため、効果的に訴求できていないのが課題だった。そこで自社のAI(人工知能)技術を使い、既存顧客の年齢などから"子どもがいそう"な顧客を抽出し、DMを送付した。

    第1弾で「子育て応援クラブ」の新規加入を促進した結果は目標比684%。第2弾DMで訴求した子ども向け端末「キッズフォン」への加入は目標比172%という成果を収めた。「子育て応援クラブ」の割引特典は、子どもが12歳になるまで長く続く。そのことを視覚的、直感的に伝えるため、タテに長い形状にし、家族のイベントを盛り込んだすごろくのような内容とした。

    【銀賞】
    名探偵が再来店!?謎解きミステリーレター

  • 広告主:謎屋珈琲店
  • 制作者:謎屋珈琲店
  • 謎屋珈琲店は、ミステリー要素を取り入れたカフェ。観光客の利用が多く、リピーター育成に課題を抱えていた。そこで、ニュースレターの送付を希望した来店客に対し、「謎」を添えたダイレクトメールをシーズンごとに送付。期限内に来店するか、オンラインショップで購入する際に解答できる仕組みで、再来店を促した。回を重ねるごとにレスポンス率が向上しており、平均レスポンス率は17.93%。来店客数も年々上昇し、リピーター化の仕組みとして機能している。

    【日本郵便特別賞・来店誘客部門】
    もったいない!ポイントようけ貯まってまっせDM

  • 広告主:銀閣寺大西
  • 制作者:片岡メディアデザイン
  • 休眠顧客を活性化するための企画。未交換ポイントがある程度貯まっている顧客を対象に、ダイレクトメールを計3回送付した。知らせた内容は、抽選会の案内と、貯まっているポイントでお得に買い物ができること。その結果、21.9%と高いレスポンス率を獲得することに成功した。

【事例で学ぶ】
成功するDMの極意 全日本DM大賞年鑑2020
4月10日発売予定

優れた成果を上げたDM50事例を分析!戦略・クリエイティブ・効果を読み解く


通販企業からIT企業まで、幅広い業種のDM成功事例を解説。「体感できる」「使える」DMで顧客を開拓した事例、Webとの連携で相乗効果を生み出した事例、緻密なデータ分析が奏功した事例などが満載。DM制作の実践に役立つ1冊。

    お問い合わせ

    全日本DM大賞事務局(株式会社宣伝会議内)

    https://www.dm-award.jp/

    TEL.03-3475-7668 E-mail.info@dm-award.jp

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