ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

バリューブックス 代表取締役
中村大樹(なかむら・たいき)氏
1983年、長野県生まれ。高校時代はサッカー漬けの日々を送る。大学進学を機に上京。1年生の春休みを利用して訪れたニューヨークで、独立して働く日本人の若者たちに出会い、起業の夢が膨らむ。大学を卒業した2005年、古本のネット販売ビジネスを単身でスタート。その後、友人たちをメンバーに加えて事業を拡大、2007年にバリューブックスを設立した。
買取客の半数以上が女性客 「自分たちでも意外」
ネットで古本の買取・販売を行うバリューブックスは2007年に設立。創業当初は東京・高円寺にオフィスを置いていたが、業務拡大にともない、中村大樹社長の郷里である長野県上田市に移転した。その後も事業を拡大させ、現在の売上高は23億7000万円。間販売点数は322万点に達する(ともに2019年6月度)。
主なチャネルはAmazonのマーケットプレイスを活用したネット販売だ。取り扱い分野は幅広く、現在は常時約120万点の在庫を持つ。バリューブックスによると、それだけの在庫を持つ業者は、古本業界では国内最大規模だという。
買い取りでもネットを活用する。買い取ってもらいたい本を持っている人は、バリューブックスのWebサイト「Value books」の「おためし査定」を利用して、自分の本の買取価格の目安を把握する人が多い(「おためし査定」をしなくても買い取り申し込みはできる)。
次に、買い取ってもらいたい本を段ボール箱に詰め、集荷を申し込む。送料は1箱あたり500円。バリューブックスでは本の到着後、通常2日~4日以内に査定結果を本人に連絡する。査定結果に同意すれば買い取りが成立し、最短で翌営業日に買い取り金額が入金される。
この方法とは別に、商品数5点以上で送料が無料となる姉妹サービス「Vaboo」もある。主にマンガやゲームソフトといったエンタメ色が強い商品で利用されることが多い。
「『Value books』では送料を有料にし、その分『Vaboo』よりも査定額を引き上げています。高く売れる本を選んで送るときは『Value books』を、それが手間なときは『Vaboo』をおすすめするといった提案もしています」 …