近畿日本鉄道が2020年3月14日まで、列車に特別な吊り革を設置する企画「幸せを運ぶ、きんてつの吊り革」を実施している。吊り革は4種類あり、桜模様の合格祈願吊り革99本、ハート型の恋愛成就吊り革3本、ゴールドの輪の金運招福吊り革1本、クローバー型の開運招福吊り革4本。約430編成ある車両のうち、107編成に1本ずつ設置した。
「電車に興味がないお客さまにも、近鉄電車に愛着を持っていただきたい」と、2015年から続けている企画。メインターゲットは、受験生を中心とする10歳代から30歳代の若年層。2018年は「通勤途中に発見して元気が出た」「毎日の単調な通勤が楽しみになる」「普段なら話すことのない人とも、車内で吊り革談義ができた」などの声が寄せられ、「お客さまからは、企画に対するうれしいお声を頂戴することが年々増えています」と、同社 営業企画部の岩本恵利佳氏は話す。
18年までは関西エリアだけで実施していたが、19年〜20年は利用客の要望もあり、東海エリアへ拡大。
吊り革の設置には沿線の10社寺が協力。それぞれの最寄り駅では、参拝して提示すると縁起の良い参拝特典などがもらえる「台紙付記念入場券」などを販売している。なかには企画に参加してから参拝者数が増えたケースも。
「神社やお寺の方々からも前向きなご提案をいただけるようになりました」(岩本氏)