コストコが、ダイナパックの段ボール製什器を採用している。コストコに卸しているメーカーに対して同社のバイヤーが推薦し、導入が決まるケースも増えている。他社の什器と比べ、ダイナパックの段ボール製什器にはどのような利点があるのか。
納品からすぐ立ち上げ 売り場の移動も自在
段ボールなどの梱包材を手がけるダイナパックの段ボール製什器が、コストコの売り場に採用された。決め手は、品質の高さ、納期の短縮、そしてコスト削減の3つだった。
コストコは国内に26倉庫店を展開しており、各倉庫店で1基ずつ什器を製作している。ダイナパックによると、300個程度までの中~小ロットであれば、高い印刷品質を保ちながら、コストを削減できるという。
納品は、他社平均の3分の2程度に短縮。商談から納品までの目安は1カ月ほど。ものによるが、コストコの場合は、校了してから納品までは約2週間というスケジュール感だ。製造に約10日間、商品のセット作業に3日間かかる。
コストコのパレット什器は複数社で供給しているが、品質はもちろん、コスト削減や納品までの時間短縮を強みとするのがダイナパック。メーカー各社はコストコから什器製造メーカーを案内され、デザイン・コスト・納期などを鑑みて決定する。
ダイナパックの段ボール製什器を活用しているメーカーのひとつが、カシオ計算機だ。クリスマス商戦に向けて、キーボードなどの電子楽器の売り場づくりに採用した。こうした季節催事での売り場づくりは、店舗に合わせた什器をすばやく用意できるかが勘所となる。
そのほか、試食会や試飲会などのイベントの場でも多く活用されている。
ダイナパックのギガプリンター(デジタル印刷機)で製作されたこの什器は、底面に荷台(パレット)を敷き、四方を段ボールで囲ってできている。納品してすぐ売り場をつくれるのがメリットだ。
一般的なパレットと同様、フォークリフトで動かすことも可能。コストコでは毎日のように、売れ行きに合わせて商品の配置を変えており、この什器もその例にもれない。
商品のセット作業はダイナパックの事業所で実施。輸送時は、商品が崩れないよう、ラップを巻いて保護する。
パレット以外はほぼ段ボールでできているため、簡単に処分でき、パレットのみ回収する。
ギガプリンターには、コスト削減と納期短縮のほかに、もうひとつメリットがある。版や木型がいらず、簡単にデザインを変更できるという点だ。1台だけ製作したり、設置店舗ごとに店名などの文字、あるいはグラフィックを変えたりすることも可能。
ダイナパックによると、ギガプリンターは2016年3月に国内で初めて導入した、段ボール専用のデジタル印刷機だ。同社はさらにSP事業部を新設、現在では什器の設計やデザインも手がけている。
「当社の印刷機は、通常の4色に特色の2色をプラスして6色で再現していることと、素材に対してダイレクトに印刷することによって、通常のオフセット印刷と見劣りしない精細さを実現しています」と話すのは、ダイナパックSP事業部長の鈴木賢司氏だ。
「次のステップとして、現在、コストコの売り場で当社の段ボール製什器を活用いただいている各メーカーには、ほかの小売店向けの販促品でも利用していただけるよう、働きかけていきたいと思います。また、取引先の業界をさらに広げ、日用雑貨や食品、文具といった領域のパレット什器としても使っていただけるようにしたいと考えています」(鈴木氏)
お問い合わせ
ダイナパック株式会社
www.dynapac-gr.co.jp
TEL:03-5623-5150(東京営業所)
TEL:049-256-7831(SP事業部)