西友が仕掛ける新プロジェクトは、子どもの「野菜嫌い」に悩む親の課題を解決する取り組み。動画などWebコンテンツだけで終わるのではなく、売り場での販売につなげる施策も実施している。
野菜嫌いのためのレシピ 1日で配り切る店舗も
西友は2019年11月5日、「子どもの野菜嫌いの克服」を掲げたプロジェクト「KIDS LOVE VEGETABLES」を開始した。幼稚園児らの80%以上が「おいしい」と認めた野菜料理のレシピカードを、西友全店330店舗で配布。また、赤羽店、東大宮店、大森店の3店舗では、子供の支持率の最も高かった野菜料理の試食コーナーを設置している。
「レシピカードは在庫切れが発生しないように日々増刷と補充をしていますが、1日でレシピカードの在庫が切れてしまう店舗もありました」と話すのは、西友のマーケティング部でシニアダイレクターを務める小尾秀男氏だ。
「献立づくりに役立つためか、複数のレシピカードを手に取られる場面や、レシピカードをご覧になったお客さまが、野菜を購入していく姿も見られます。試食コーナーを設けた3店舗では、野菜料理をその場で調理し、提供しているため、それが刺激となって、野菜の販売促進につながっています。実際に、プロジェクトの公開前後で、青果全体の売り上げは順調に伸び、2桁増となりました」(小尾氏)
調査対象は幼稚園児約100人で、野菜料理6品を試食。うち5品が80%以上の支持率を獲得した。レシピはWebでも公開しているほか、プロジェクトの一部始終をドキュメンタリーにした動画を公開している。11月18日時点で、約74万回再生されている。
事前に西友が実施した調査(※1)では、子どもの約9割は「野菜が嫌い」で、食べさせることを諦めた経験のある保護者も約9割に上った。子どもと保護者の双方にとって、野菜を食べること、食べさせることは少なからず悩みの種だったのだ。半面、保護者の「もっと野菜を好きになってほしい」という気持ちは強く、約7割が「野菜料理のレシピがスーパーにあると助かる」と回答している。