ことし7月、「イシヤカフェ新千歳空港店」をオープンした。ローランド ディー.ジー.の「cotodesign(コトデザイン)」とUVプリンターを導入し、その場で作製するオリジナル缶が好評を博している。
受注から約20分で完成 世界にひとつだけの缶が人気
「白い恋人」は発売時からこれまで、利尻山を描いたパッケージデザインを採用してきた。2000年ごろ、製造工場に併設されたチョコレートをテーマにしたエンターテインメント施設「白い恋人パーク」で、来場者の記念写真を印刷したステッカーを貼るオリジナル缶の作製・販売サービスを開始。これがヒットし、2018年には年間で約1万6300件を超える人気商品に成長した。
「北海道旅行の記念、身内や友人へのおみやげ、誕生日プレゼントとして作る方が多くおられます。リピーターの方からは、子どもの成長記念や、企業ロゴを入れた記念品やご挨拶用としてご利用いただいています」と、イシヤカフェ新千歳空港店の杉本真麻店長は話す。
新千歳空港への出店に際し、ローランド ディー.ジー.から店舗で簡単にデザインを編集できる「cotodesign」の提案を受け、パッケージに直接印刷できるUVプリンター「LEF2-200」と共に導入した。
「従来の方法では、お客さまが持ち込まれた写真を印刷用に編集するだけで30分近い時間がかかっていました。『cotodesign』を使えば、初心者でも、受注からお渡しまで20分程度。使用する写真も、店頭に用意した利尻山やラベンダーの丘などの背景画の前で撮影できるだけでなく、お客さまが観光地で撮影した写真もプリントできるようになりました」(杉本氏)
「cotodesign」では来店者自身がタブレット端末やパソコンで希望のデザインを選び、文字を入力する。画面上で確認できるので、間違いを未然に防げるようになった。また、コスト削減や品質の向上、機械操作技術の習得時間が削減された。
石屋商事(ISHIYA)では今後、オリジナル写真入りグッズを増やし、多様なニーズに応えることで、新たな顧客層の開拓につなげる考えだ。
同社は北海道コンサドーレ札幌の公式パートナーでもあり、ファン向けのグッズ作製なども視野に入れる。
「ローランド ディー.ジー.さんとは長いお付き合いですが、これからも斬新なアイデアを提案いただき、さらにお客さまに喜んでいただけるサービスを提供できればと思います」(杉本氏)
専門的な知識・技術は不要 デジタル機器で「コトづくり」
消費者の好みの多様化を背景に、身に付けるモノや身近なモノを自分好みにパーソナライズした商品が人気を集めている。
業務用インクジェットプリンターなどを製造・販売するローランド ディー.ジー.は、立体物に直接印刷できるUVプリンターや、Tシャツやトートバッグ向けのプリンター、樹脂製品などに箔で加飾できるレーザー箔転写機などもラインアップしている。これらはコンパクトなサイズ、使いやすさ、導入しやすい価格などが評価され、店頭でのオリジナルグッズを手がける事業者に広く活用されてきた。
昨年12月にリリースした「cotodesign」は、こういった出力機器と組み合わせて小売店でのオリジナルグッズ作製をサポートするデザイン&プリントマネジメントソフトウエアだ。操作画面はシンプルで、直感的な入力・操作が可能。専門的な知識がなくともデザインデータの作成と商品への出力ができる上、受注から販売までのオペレーションもサポートする。
「当社製品は、これまで量産向けの工場など一般のお客さまの目に触れないところで導入されてきましたが、『cotodesign』によって直接的に喜んでもらうこと、楽しんでもらうことを演出できるようになりました。店頭やイベント会場、観光地、ショッピングモールなどで、お客さまの『想いをカタチ』にし、たくさんの笑顔を作り出す。それが、ローランド ディー.ジー.が目指すデジタルコトづくりです」(ローランド ディー.ジー. COTO事業部の天野結衣氏)
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