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顧客に喜ばれるデータ活用の要点

尖ったプロダクトで月間5万人来店 デジタルとアナログの両輪

木崎大佑氏(蔦屋家電エンタープライズ)

「蔦屋家電+」は、メーカーに消費者ニーズのヒントとなるデータを提供し、出展料で売り上げを立てる次世代店舗だ。6月7日、売り場面積を2倍に広げてリニューアルした。

「蔦屋家電+」店内。「二子玉川 蔦屋家電」の1階にある。入り口側の一等地だ。元々来館者が多いため、こちらにも自然と足が向く。

「蔦屋家電+」に携わる、蔦屋家電エンタープライズの木崎大佑氏(商品企画部新規事業チームリーダー、蔦屋家電+プロデューサー)。前職は家電量販店だった。

新しい"有人"店舗を作る 米国先行事例との違い

「あれだけの価値のある人たちの働く場がなくなってしまうのは、とてもイヤだった」──店頭商品の6割は"販売しない"店舗「蔦屋家電+」を立ち上げた木崎大佑氏(蔦屋家電エンタープライズ)は、同店の企画の大元にあったのは、こんな考えだったと明かす。

"価値のある人たち"とは、店頭スタッフ(販売員)のことだ。順を追って説明しよう。木崎氏は家電量販店の出身。およそ3年半、売り場で販売員を務め、その後本社ではマーケティング業務に携わった。

カルチュア・コンビニエンス・クラブに入社したのは2013年。2015年にオープンした「二子玉川 蔦屋家電」に企画段階から携わった。その後フロアマネージャーやマーチャンダイザー、広報などを歴任した。

新規事業チームに配属され、頭をよぎったのは、冒頭のとおり、かつて働いた家電量販店の店頭だった。

「販売スタッフは当然ながらずっと立ちっぱなしですし、お客さま最優先ですから休憩時間も十分に取れません。そうした中で、こと家電にかぎれば、比較的ほかの対面販売より接客時間は長いと思います。ざっくりと、『空気をキレイにしたいんだけど』というお客さまのリクエストに始まり、いろいろな製品について説明するためです。かかる時間が長いわりに、結果として売れなければ、その間に話したことは水の泡になってしまう。ただ、と応じから、お客さまの話は、ほしい機能だとか、本当にしてほしいことは、こういうことなんだ、とか、切実さがあると感じていたんです」

折しも、「無人店舗」を称賛する声がメディアを賑わせていたころだ。「無人店舗ほど、悲しい響きはないですよ」と、木崎氏はつぶやく。

「そのころの同僚や、本社勤務になったあとも、優秀な販売スタッフの姿は目にしていたのですが、彼らの価値は単に売ることだけではないんです。やっぱりお客さまときちんとコミュニケーションが取れることは大きい。だからこそ必要なものをお勧めできるのです。しかしEコマースが躍進して、無人店舗が普及したら、そういった人はどこで働くのか。彼ら、彼女らが働く場所を作りたいと思うようになりました」

実店舗の価値を見つめ直し、従来ない形で世に出せないか。そうして企画したのが「蔦屋家電+」だった。

ヒントとなったのは、米国で16店舗を展開する「b8ta(ベータ)」という店舗だった。顧客の情報を取得し、商品に触れた顧客の滞在時間や、商品への関心度合いなどのデータを、商品を出展するメーカーに提供して対価を得る …

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