販売・接客の現場で活躍する、35歳以下のキーパーソンたちに迫る本企画。これからの時代を担う彼ら・彼女らは、いまどんな思いを抱いて仕事に向き合っているのか。今回は、アダストリアが展開するアパレルブランド「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」ルミネ北千住店の店長、三橋沙紀さん(29歳)だ。
「今日のMVP」でスタッフのやる気を維持
ファミリー向けのアパレルブランド「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」は国内に213店舗を展開する(2019年2月末時点)。アパレルの製造・販売を手がけるアダストリアの主力ブランドの一つだ。「GLOBAL WORK」ルミネ北千住店の店長、三橋沙紀さん(29)は2012年、同社に新卒で入社した。
「大学生のころは、100人以上が所属するダンスサークルで、衣装長と振付師を担当していました。年に2回、舞台の演出から衣装、振り付け、音響などをすべて自分たちで手がける大規模な公演をしていたため、関係各所との連携が必須でした。そんな中で人とかかわることに面白さを感じ、就職活動ではサービス業界を志望していました」
ブライダル業界など、さまざまなサービス業の中で、アダストリアに入社を決めたのは、「アダストリアのブランドの服が好きでよく着ていたこと、面接が進む中で社員と雰囲気に惹かれたため」だった。
入社3年めには、「GLOBAL WORK」に配属されたほかの同期社員よりいち早く、モラージュ菖蒲店の店長に就いた。その後ステラタウン店の店長を経て、現職に至る。
29歳にして店長経験5年という経歴を持つ三橋さんは、スタッフのモチベーションを維持するしくみづくりにも積極的だ。
「『GLOBAL WORK』には学生のアルバイトスタッフも多く在籍しています。中には学業のため週に2日しか出勤できない学生もいます。そんなスタッフたちにも、自分がお店に貢献しているのだとやりがいを感じてもらいたいんです」
たとえば、毎日行っているのは、「今日のMVPスタッフ」の掲示だ。スタッフの名前を書いた大きな紙をバックヤードに貼り出しており、各人にとってその日のMVPだと思う名前の欄に、理由を書いたふせんを貼る。
「『認められる』『褒められる』場をつくるためというのはもちろん、スタッフ同士の関係の構築にも役立っています。始めて約半年経ちましたが、スタッフ同士の連携がスムーズになり、接客の質も上がったように感じています」 …